サービス低下、高給に高額の住宅補助…NHKの元記者が「受信料は高すぎ」と思うワケ

国内 社会

2021年01月07日

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受信料はやはり値下げすべき

 こうした状況にもかかわらず、受信料の値下げは進まない。1世帯が支払う受信料は、契約数の多い衛星契約の場合、月額2170円、年間約2万6000円に上る。NHKは昨年10月に月額35~60円の値下げをしたが、この程度ではスズメの涙と言われても仕方あるまい。

 総務省が設置した分科会で示された資料によると、NHKの受信料は国際的にも割高だ。ヨーロッパではNHK並みの水準の国もあるが、隣の韓国・KBSの視聴者負担は年間約3000円で、集められる額は650億円に過ぎない。

 また、有料テレビの「Amazonプライム・ビデオ」は月額500円、「Hulu」でも1026円だ。災害報道などの使命を担うNHKと同列視できないにせよ、やはり受信料は高すぎるのではないか。

 実は私には故郷で年金生活を送る80過ぎの母親がいる。自営業で加入は国民年金のみだったため、ひと月当たりの受給額は4万円ほどしかない。生活保護を受給できるレベルだが、爪に火を灯すような生活の中から国民の義務とばかり、やり繰りして受信料を納めている。こうした高齢者は決して少なくない。私がNHKに入局して湯水のごとく経費が使われる実態に反発を覚えたのは、こうした背景もある。

職員の高年収に高額の住宅補助

 巨額の受信料を背景にNHK職員の待遇は、ネット上で「上級国民」と揶揄されるほど恵まれている。2019年度のNHKの人件費から算定すると、職員1人当たりの年収は1095万円に上る。

 私は比較的高給とされる大手新聞社からNHKに転職した際、よく周囲から「給料が相当減っただろう」と言われたものだが、手取り収入はほとんど変わらなかった。

 とにかく職員へのサポートは手厚い。特に驚いたのは住宅補助だ。持ち家のある職員にも毎月5万円の住宅補助が支給される。つまりNHK職員はマイホームを購入すると、住宅ローンのうち5万円は会社に肩代わりしてもらっているのだ。

 白状するが、私も家を買うか迷っていた際、上司から「こんな制度はほかの会社にないぞ」と言われ、購入の決定打の1つになった。

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