戦友と「神様」と2つの青春:藤子不二雄Ⓐ『まんが道』 独選「大人の必読マンガ」案内(27)

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 当コラムを2018年の夏に始めたとき、「いつか必ず書こう」と決めた作品がいくつかあった。

 その筆頭格が、藤子不二雄Ⓐの『まんが道』だ。

漫画家のバイブル

 私の手元にあるのは2012~13年にかけて刊行された全10巻の「決定版」だ。

 小畑健、ハロルド作石、江口寿史、あらゐけいいち、島本和彦、秋本治、荒木飛呂彦……。帯や文末の寄稿文に並ぶ漫画家の名前を見るだけで、この作品の偉大さが分かる。どの言葉も熱量が高い。

 「いつも書棚の一番取りだしやすいところ」に置いているという江口は、「信仰を持たない僕にとっての、ある種、聖書のようなもの」と綴る。...

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