2021年は「かまいたち」が大飛躍か 山内の“狂気”にますます磨き

エンタメ 芸能 2021年1月4日掲載

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山内の狂気

 笑いの才能と学歴は無関係だ。とはいえ、優れたお笑い人は例外なく頭が良いと元朝日放送プロデューサーで1980年代の漫才ブームの仕掛人である澤田隆治氏(87)らは説いている。例えば、ダウンタウンの松本人志(57)の頭のキレは誰も否定できないだろう。

 山内は同大卒業時、「芸人か学校の先生かでギリギリまで悩んだ」(昨年12月19日放送のTBS「人生最高レストラン」)。だが、教育実習を出向いたところ、自分は教師に向いていないと思ったそうだ。

 なぜかというと、ほかの教育実習生は最後の授業を終えると、生徒から贈られた花束と寄せ書きを手にしていたが、山内だけ手ぶらだったのだ。

「本当、びっくりしたんですけど、生徒から全然慕われなくて」(山内)

 思い当たるフシはあった。実習中に受け持ったクラスで、一番かわいい女子生徒とばかり話していたのだ。お笑い芸人の話なので、ウケを狙って話を盛っている可能性もあるが、現在の山内が見せる狂気に通じる話である。

 元日夜にTBSで放送された「ドリーム東西ネタ合戦」でも山内の狂気は存分に発揮された。披露したのは学校の教室を舞台にしたコント。かまいたちの十八番だ。山内は得意のモンスター生徒に扮した。

 まず山内が教室の花瓶を割ってしまう。水を入れ替えようとしたところ、手が滑って落とした。

濱家「弁償やで、たぶん」
山内「ウチ貧乏だから、弁償なんてできないよ……」

 教師がやって来る。

濱家「先生! 花瓶、割ってしまいました。水を替えようと思ったら手が滑ってしまいました」

 山内から貧乏と聞いたので、庇ったのだ。

 山内も「先生!」と声を上げる。濱家の友情に心打たれ、正直に打ち明けるのかと思いきや……。

山内「濱家君、手が滑ったと言ってますけど、思い切り自分から割りにいってました。たぶん、何かイライラしていたんだと思います」

 あきれた濱家が反論すると、山内は「ちょっと待った。みんな落ち着こう」と、被害者顔をする。平然と嘘を吐き続ける。過去、あまり見なかった芸風だ。山内の狂気があるから成立するのだろう。

 コントと漫才のどちらもピカイチなのが2人の強み。「キングオブコント2017」(TBS)では優勝した。サーフショップを舞台に、試着したウェットスーツが脱げなくなって悶絶する客(山内)と困惑する店員(濱家)という設定のコントを見せた。

山内「おい! 試着する前、言ったよな。普段の洋服、Lやから、Lサイズ持って来てって。これ、サイズ何?」
濱家「XSです……」

 その後、キレ続けた山内とオロオロするばかりの濱家のエキセントリックな掛け合いが続いた。もちろん山内が考えたものだ。斬新だった。

 次は「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)との2冠を狙っていたものの、惜しくも準優勝(2019年)どまり。この年が結成15年だったため、残念ながら出場資格を失い、2冠は逃した。

 とはいえ、ほかに「ABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞」(2007年)、「ABCお笑いグランプリ優勝」(2012年)「第54回上方漫才大賞奨励賞」(2019年)など漫才界の栄誉の数々を授けられている。漫才の実力も折り紙付きだ。

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