年上の既婚女性に恋したアラサー男 “対等”を求めて結婚し、ついにW不倫が始まった

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今も関係はつづく

 それから1年8ヶ月、この間、彼の気持ちは千々に乱れ続けていたという。現在8ヶ月になる息子と妻、3人で暮らしながら、マチコさんとの関係も密かに続いている。

「コロナの影響で、春からリモートになって、僕は週1度、彼女は週2度程度しか出社しなくなりました。今も、どうしてもという状況でなければ出社しなくていいことになっています。ただ、やはり週2回くらいは行かないと仕事がうまく回らない。それにかこつけて、お互いに出社するふりをして、どこかで落ち合うこともあります。だけど時々、ものすごい恐怖感に襲われるんです。何も知らない妻には申し訳なくて。でも彼女との関係もやめられない。僕には必要な人だから」

 そもそもジュンイチロウさんは、若いころから晩生で、あまり恋愛をしてこなかった。だから、ずる賢くふるまったりウソをついたりするたびに自分を責めてしまうのだという。そんなに辛いなら不倫などやめればいいとわかっていながら、マチコさんへの思いも煮詰まるように濃くなっていく。

「幸せだけど手放しで喜べない。でも家庭にいればこれが家庭の幸せだなと思うし、彼女といると自分でも信じられないくらい情熱的になれて幸せだし。でもやっぱりいつも苦しいし罪悪感から逃れられないんです」

 もう少し開き直れたら二つの幸せを受け入れられるのかもしれないが、彼は純粋で真面目すぎるのだろう。だが楽になりたくて、そのまじめさを手放すと、おそらく不倫の関係が誰かに知られてしまうのではないだろうか。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

週刊新潮WEB取材班編集

2021年1月2日掲載

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