「山辺高校」10人飲酒でも大会出場へ 「不祥事」「パワハラ」は新興の運動部あるある?

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 正月恒例の全国高校サッカーが“炎上”している。創部4年目にして県大会を制した奈良代表・県立山辺高校の部員が飲酒していたことが発覚したのだ。

 飲酒自体も批判の的だが、激しく炎上しているのは大人たちが決めた処分である。記者会見で頭を下げた校長曰く、大会は辞退しない、飲酒した生徒も“反省すれば”大会に出場させる、というのだ。会見に同席した教育長もそれを追認した。

 この手の連帯責任論には賛否がある。だが、よりによって寮内で、しかも10人もの部員が飲酒したにもかかわらず、飲酒していない選手はおろか、飲酒した選手までも事実上“お咎めなし”というのは珍しい。

「実はこのサッカー部、活動を民間サッカースクールに委託した全国初の試みとして注目されていました」

 とサッカーライターが明かす。

「スクール側は“部を強くするのが務め。辞退なんてとんでもない”、学校は“寮も含めて運営はスクールに任せている”と、お互い責任を押し付け合った末の結論です」

 サッカー部を強くして学校の知名度を上げようというのはよくある話。野球と異なり、プロとアマの垣根がないサッカーは、プロのクラブで子供たちを教えていた指導者を、有望選手ともども引き抜くことで、短期間で強豪校に仕立て上げることが可能だ。2017年創部の山辺も、ガンバ大阪ジュニアユース監督を招聘している。ところが、

「その監督、保護者と揉めて1年でクビに。今は別の新設校で指導しています」

 後任は、元Jリーガーで、かの岡崎慎司を見出したスカウトという触れ込みの人物だったが、こちらも、

「元部員に“パワハラだ”と告発され裁判沙汰に。夏以降、指導していません」

“パワハラ監督”不在で、寮の風紀が乱れたのか。

「このようにして急に強くなった学校では“パワハラ”も“生徒の不祥事”も珍しくはない。02年、創部1年目で全国大会に出場して話題となった高校がありましたが、内部のいざこざが絶えず、今は部自体が消滅してしまいました」

 山辺の初戦は12月31日。

週刊新潮 2020年12月24日号掲載

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