超ブラック「大東建託」社員が顧客の自宅に放火、殺人未遂に及んだ理由

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腹立ちまぎれに放火

 大東建託の「超ブラック体質」について本誌(「部下の顔面を殴打、“腹を切れ”と恫喝…『大東建託』の超ブラック体質 支店ぐるみで“私文書偽造”も」)は報じた。その裏では、ノルマに駆り立てられた社員が「架空契約」が露見することを恐れ、顧客の自宅に放火、さらに顧客とその家族をハンマーで襲撃するという事件まで発生していて――。

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 長野県警によって、大東建託の松本支店に勤務する当時43歳の社員が顧客を殺害しようとして逮捕されたのは、2015年のクリスマスのこと。

 凶悪犯に転落した社員は逮捕される4年前、離婚を機に大東建託に入社。ノルマに追われ、1日12時間以上の長時間勤務を強いられたものの、当初は成績の振るわない社員でしかなかった。転機が訪れたのは、13年暮れ。農家を営む当時85歳の男性から立て続けにアパート3棟の契約を獲得したのである。支店内で評価を得ると、その維持のために罪を犯し始めた。

 銀行融資がつかないと判明した他の顧客の解約を免れるため、農家の男性から騙し取ったつごう1500万円以上を、顧客に内緒で工事費などに注ぎ込んだりした。また、農家の男性に4棟目のアパート建築を拒否されると、腹立ち紛れに自宅玄関などへの放火にも及んでいる。

ハンマーで殴打

 農家の男性に続き、2人目の被害者はすでにアパート2棟を契約済みの得意客だった。15年4月、社員は好業績を装うために3棟目の「架空契約」を画策。後々解約するはずが、建築予定地で整地工事が始まってしまい、トラブルに発展。ボヤ騒ぎを起こせば不正発覚を先延ばしにできるのではないかと、社員は得意客の自宅にまたしても火を放った。しかし、むろん、それでは根本的解決にならず、支店長への架空契約の露見を怖れ、得意客とその妻、長男を殺そうとハンマーで殴打したのだ。幸い、3人は一命を取り留めたものの、重傷を負わされ、社員は殺人未遂の容疑で逮捕された。

 有料版では、異常なノルマや残業代をカットする驚きの手口など、凶行の背景にある大東建託のブラック体質について詳報する。

週刊新潮 2020年12月24日号掲載