「玉川徹」の“煽り発言”を検証 エビデンスなし、自殺者について「因果関係わからない」

国内 社会 2020年12月26日

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「煽り発言」が使命?

 新型コロナの感染拡大を受け国民の間で不安感が高まっているが、実態以上に怖がる人が増えてしまった原因には、ワイドショーによる連日の煽りがある。その代表がテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同局の玉川徹氏だ。

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 たとえば12月11日には、こう発言した。

「日本でいままで唯一成功しているのは、4月から5月にかけて感染を抑えたっていうことですよ。あのときなにをやったかっていうことなんですよね。8割の接触減ということは一つの目安でしたし、言葉としてはステイホーム。これ、出てないじゃないですか、いま。4月よりいまのほうが大変なんですよ。(中略)各国の事例を見れば簡単にわかることなんですけど、このまま中途半端な感染対策してるかぎり、最悪の場合、このまま指数関数的に増えますし、そうじゃなかったとしても、高止まりを続けるってことであれば、医療は崩壊します。このまま2週間、3週間いけば崩壊ですよ。(中略)医療体制を充実させるってことには、どこまでいっても限界があるんです。なので感染者を減らすしかないんですよ。そのためにできることは、たぶん二つしかなくて、一つはいわゆるロックダウン的なこと。それか大規模な検査をやって、感染者、無症状の感染者も見つけて、その人たちを感染してない人と分けること」

 要は、感染者数は指数関数的に増える危険性があるから、再び8割の接触削減を目指せ、緊急事態宣言を出せ、というのだ。ちなみに、玉川氏は7日には、

「訴え続けることが重要なんじゃないですか。われわれテレビに出ている者の使命としては」

 とまで語っていた。だから、こうした煽り発言はみな、彼の「使命」であるらしいが、感染症に詳しい浜松医療センター院長補佐の矢野邦夫医師は言う。

「ロックダウンをすれば、瞬間的に感染者を減らすことができても、経済状況や人々のフラストレーションに目を向ければ、決して長く続けられるものではありません。日本経済はすでに大きなダメージを受けていて、倒産した会社がいくつもあり、うつになって会社や学校に行けなくなった人もいます。経済的な体力が温存されていない以上、いまロックダウン的なことをするなど考えられませんし、緊急事態宣言にも慎重になるべきです。4月に宣言が発出されたとき、すでに第1波はピークを越えていました。なにもしなくても、感染者は自然に減っていった可能性が高いのです」

GoTo停止はナンセンス

 京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授も、こう指摘する。

「4~5月の感染者数が減少したのは、緊急事態宣言とそれに伴う外出自粛の結果ではありません。感染は3月末にピークアウトして、その後は自然減となっていったからです。自粛で第2波の立ち上がりを遅らせることはできましたが、これは問題の先送りにすぎません。一方、自粛の副作用は大きすぎた。多くの雇用が失われ、10月には自殺者が大幅に増えました。政府や分科会はまだきちんと検証していませんが、4月の緊急事態宣言は明らかに大失敗でした。あれが成功だなんて、とんでもない」

 ところで、宮沢准教授はこれまでにも、東京も大阪も発症日や推定感染日ベースで、11月12日にはピークアウトしている、と発言していた。だが、まだ感染者数は減っていないが、これはどういうことか。

「感染者数がなかなか減らない理由の一つは、同じ第3波のなかの波、つまり第3の1波の終わりと、第3の2波の始まりが重なっているから。しかし第3の2波の高さは、第3の1波より低くなると思われます。それに東京の新規感染者数は、数字上は600人台でも実際は500人程度です。PCR陽性者数が増えているのは、濃厚接触者を積極的に検査して無症候者を拾い上げているから。加えて、他府県から送られてきた検体を都内の民間クリニックが検査し、陽性反応が出たら、都の陽性者としてカウントされているんです」

 そして、こう言う。

「GoToトラベルも12月28日から1月11日まで一時停止になりましたが、ナンセンスです。GoToが良かったのは、あれだけ人が移動しても、感染の波はこの程度で収まるとわかった点。停止すれば人々の心が冷え込みます。旅先で歓楽街に行かない、行ってもどんちゃん騒ぎやカラオケは控える、という対策をすれば十分なのです」

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