コロナ発生源に関するウソを必死にバラまく中国 必死の宣伝工作も無駄と言われる根拠

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「武漢」の謎

 中国側の宣伝工作にもかかわらず、世界の専門家たちの「新型コロナウイルスの発生源は中国である」との確信は揺らいでいない。当初発生源とされていた武漢の動物市場ではなく、真の発生源を特定しつつあるようだ。

 新型コロナウイルスの発生源を調査中であるWHOのピーター・ベンエンバルク氏は、12月8日のNHKとのインタビューで「新型コロナウイルスと最も近いのは、2013年に中国雲南省のコウモリが生息する洞窟で発見されたウイルスである。新型コロナウイルスと近いウイルスが雲南省で発見されたことから、中国内で発生したとみるのが最も論理的である」と述べている。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで遺伝子学を研究するフランソワ・バルー氏も「新型コロナウイルスに最も近似するウイルス株が中国のコウモリを介して広がったという強力な科学的根拠があり、発生源は中国の可能性が最も高い」と主張している(11月29日付ロイター)。

 しかし、コウモリから即人間へとウイルスが伝染する可能性は低いとされており、中間宿主の役割を果たした動物は依然として明らかになっていない。

 雲南省のコウモリが発生源だとすれば、なぜ雲南省ではなく、湖北省の武漢で新型コロナウイルスの感染者が最初に発生したのだろうか。

 新型コロナウイルスが人為的に作られたことを示す証拠は見つかっていないものの、「新型コロナウイルスの流行について、コウモリ由来のコロナウイルスについて研究をしている武漢のウイルス研究所が関係している」と考えている研究者は少なくない。

中国のウソ

 この謎を解くヒントを与えてくれるのは、森下竜一・大阪大学教授である。森下氏は現在、新型コロナワクチン開発に尽力しているが、著書の中で「武漢のウイルス研究所の石正麗氏のチームが中国中からコウモリ由来のコロナウイルスを集めていたのではないか」とした上で「彼らは、集めたコロナウイルスを動物に感染させて、病原性の高いものを探していたが、新型コロナウイルスを豚やウサギ、ネズミなどの動物では症状が出なかったことから、処理と称して実験動物の肉を市場に横流しして、それを誰かが食べたことが感染の第一歩だった可能性が高い」と述べている。

 前述のWHO調査団は、武漢のウイルス研究所にも訪れる予定であるが、「発生源が明らかになるまで数年かかる可能性がある」と指摘する専門家もいる(12月22日付日テレNEWS24)

「新型コロナウイルスの発生を隠蔽して世界に疫病をまき散らしたという認識が国際社会に広がれば、自らの執政の正当性が脅かされる」と恐れる中国共産党が、新型コロナウイルスの発生源に関するウソを必死にばらまこうとしている企みに対し、WHOの調査団が一刻も早く真実を明らかにしてくれることを祈るばかりである。

(参考文献)『どうする!?感染爆発!! 日本はワクチン戦略を確立せよ!』森下竜一他[著]ビジネス社

藤和彦
経済産業研究所上席研究員。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)、2016年より現職。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月25日掲載

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