文在寅が独裁者である理由 公営放送を掌握せよと指示、政権批判メディアはお取り潰し

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政権批判メディアは存亡の危機に

 もう一つの公営放送であるMBCも同様だ。

 李明博、朴槿恵政権を批判する番組制作を主導した崔承浩(チェ・スンホ)氏が2017年12月MBC社長に就任し、文大統領と与党に不利なニュースは縮小、保守党を攻撃する報道を展開している。

「過去の政権と違って、メディアの掌握などしない」という文大統領の発言が嘘だったことが小学生にもわかるほどだ。

 左派政治に偏ったコンテンツを白々しく制作する行為に、内部から反発が起きた。当然のことだ。

 KBSの労働組合は“左派性向の梁承東は出ていけ”と梁社長を検察に告発、MBCでも文在寅政権に追従する不公正な報道がMBCをダメにすると非難する声が退職者を中心に広がっている。

 文在寅政権が公共メディアを掌握する一方、政権に批判的な報道を扱ったメディアは廃業し、あるいは存続の危機にさらされている。

 昨年1月、青瓦台が文大統領の新年記者会見を実施した際、「京畿放送」の記者が「国民は大変苦しんでおり、不安は大きい。政策に変化を与えない理由は何か。その自信はどこから出てくるのか、単刀直入に問いたい」と攻撃的な口調で質問した。

 すると、文大統領は硬直して「現在の政策基調を維持する必要があるという話はすでに十分にした。新しい答えはない」と答えたのだった。

 京畿放送の記者は左翼メディアと与党から「無礼」という非難を受け、文大統領の支持者はその私生活を暴いて圧力を加えたのである。

 日本政府が韓国向け輸出管理を強化し、韓国内で日本製品不買運動とともに反日感情が高まった昨年8月、京畿放送の本部長が食事の席で「選挙で勝利するため国民を扇動し、反日感情を助長する文在寅を殴りたい」と発言したと報道され、また「最高裁判所の徴用工の判決が正しいと思わない。日本に金を要求する韓国政府より、日本が正しい」と発言したことが知れ渡った。

 真っ当な意見だったが、京畿放送は今年3月、突如閉局して23年の歴史の幕を閉じた。

「朝鮮日報」系列も弾圧され

 どうしてそのような憂き目に遭ったのか。

 その後、大統領直属機関で韓国内の放送局の審議を主管する「韓国放送通信委員会」が文在寅大統領を非難した本部長の解任を求め、収入源を調整するなど京畿放送の経営に干渉したことが明らかになったし、地元の京畿道議会も京畿放送に分配してきた予算を削減。

 要するに、兵糧攻めにあったわけだ。

「もし大統領になったら批判と非難も我慢できるのか」という質問に対する文大統領の真の答えは、「我慢できない」だったことになる。

 日本でも知られている保守メディア「朝鮮日報」系列の「TV朝鮮」も、放送許可再承認審査で文在寅政府から圧力をかけられた。

 先月、韓国放送通信委員会は、要求する条件に違反したら再承認を取り消すと脅している。

 放送許可を取り消された放送局は廃局するしかない。

「韓国放送通信委員会」の委員長は、共に民主党が推薦し、MBCの大株主である放送文化振興会の理事に任命された人物で、親文在寅団体の代表として活動したこともある。

 副院長も盧武鉉政権時代に、青瓦台行政官として勤務した文在寅大統領の元同僚で、共に民主党から出馬して国会議員に当選した人物だ。

 民主主義国家は「メディアの報道の自由」を尊重するのが基本である。

 少なくとも日本で安倍晋三前首相や菅義偉首相の名誉毀損動画を配信した後に訂正・謝罪した一般人を逮捕することはないし、まして放送局が廃局に追い込まれることはない。

 一方、韓国はメディアの報道の自由を規制し、文在寅大統領や共に民主党を批判する報道に圧力を加えている。

 メディアを掌握しないと言ったその口をぬぐうかのような文大統領の行動は独裁者であり、だからこそ、「歴史歪曲をしている」「反省していない」と日本を批判する言葉が出てくるのだろう。

柳知仁(ユ・ジイン)

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月19日掲載

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