FAの目玉「大野雄大」「山田哲人」残留決意のウラ話 巨人は大型補強ができず

スポーツ 野球

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 日本野球機構が5日、FA宣言選手を公示した。

 俎上に載るのは、ヤクルトの小川泰弘投手(30)、DeNAの梶谷隆幸外野手(32)、井納翔一投手(34)、ロッテの松永昂大投手(32)という顔ぶれ。なお、西武の増田達至投手(32)、熊代聖人外野手(31)は権利行使の上で西武に残留を決めた。ロッテの澤村拓一投手(32)は海外FAに挑む。

「今年の国内市場のメンツは、正直言ってショボい」

 とスポーツ紙デスクが愚痴をこぼす。たしかに、今年は、球団内の年俸3傑が該当する“Aランク”選手が一人もいない。

「本来ならば、近年稀にみる“FA大豊作”になっていたはずで、我々スポーツ紙も腕まくりしていたんです。それがこんな惨状になってしまって、目も当てられませんよ」

 腕まくりしていたのはスポーツ紙だけではなかった。他でもない、“球界の盟主”巨人である。

「FAの目玉は、投手は中日の大野雄大(32)、野手はヤクルトの山田哲人内野手(28)のはずでした」

 大野は今季、最優秀防御率と最多奪三振の投手2冠を達成し、沢村賞も受賞した。“トリプルスリー”が代名詞の山田に関しては説明はいらないだろう。もちろん二人ともAランクの選手。巨人が涎を垂らすさまがありありと目に浮かぶ。

 ところが、両人とも権利を行使せず、決して金満とは言い難い現チームに残留することを選んだのである。

「今や押しも押されもせぬエースに成長した大野ですが、ケガなどもあって入団以来コンスタントにチームに貢献していたわけではない。そんな自分を取り立ててくれた現首脳陣にもっと恩返ししたいということで残留を決めたようです」

 山田の方は事情が異なる。

「株価ストップ高の大野と対照的に、今季不振に喘いだ山田の株価は急降下中。にもかかわらず、巨人もそこまでは出せなかったであろう7年総額約40億円ものビッグオファーをヤクルトが提示した。山田は、貧乏球団の精一杯の誠意にほだされた」

 いずれも、巨人ではついぞ聞かない“いい話”ではないか。その巨人は、

「エース・菅野智之(31)のポスティングを容認。年俸6億5千万円が浮くだけでなく、多額の譲渡金も手に入れば、“軍資金”は潤沢でした。日本シリーズでソフトバンクに屈辱的な4連敗を喫したこともあり、大型補強は至上命令だったのですが……」

 原監督、またも涙目?

週刊新潮 2020年12月17日号掲載

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