「人を利用する」一家が皇室と関わりを持つ疑問 「押し通した方が勝ち」という風潮の是非

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 秋篠宮さまのお誕生日会見では、ついに長女・眞子さまと小室圭さんとの婚姻を受け入れるとご発言。この会見を漫画家・コラムニストの辛酸なめ子氏はどう見たか。
 
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 若いお二人の結びつきは強く、自分たちの思いを実現させたい一心で突き進んでいる。一方で周りの人たちは“根負け”してしまったかのように見えます。

 父親たるもの娘には弱い。こと長女となればより優しくなる。事実、秋篠宮さまと眞子さまは、一緒に手をつなぎ散歩する写真があるほど仲睦まじかった。関係性が良好だった時は典型的な仲良し親子。そんな長女のお願いとなれば、最終的には聞き入れないといけないという、秋篠宮さまの苦渋の表情が見てとれました。

 それほどまでして結婚したいのであれば認めるけど、家同士の付き合いはちょっと遠慮したい。そんな意味合いを込めて「結婚と婚約は別」と、折り合いをつけられたのかなと思います。

 また小室さん母子をサポートしてきた佳代さんの元婚約者の男性も、感謝されるどころか、小室さん一家に雇われた弁護士によって追い詰められてきた。

 何も悪いことはしていないのに、未だに一定数、元婚約者の男性を攻撃する人たちが世間にはいて、“お前のせいでお二人は結婚できない”とか、“お金が欲しいだけなんだろう”と誹謗中傷される。

 去年あたりからは体調を崩していると聞きましたし、住み慣れたマンションや愛車を手放した上、老後の蓄えまでも失った。お気の毒以外の何物でもありません。

 そんな状況に心身共に疲れ果ててしまった元婚約者の男性が、「週刊現代」の記事にあるように400万円の返済は求めないと折れることで、「借金問題」は解決。そして眞子さまと圭さんの結婚が実現すれば、ご本人たちは幸せかもしれません。

 ただ、今回のように“押し通すほうが勝ち”という風潮が広まれば、世間にとってはあまりよい影響を及ぼさない気がしてなりません。“私”を押し通した生き方でロイヤルファミリーと縁を持つ立場にまで昇りつめる。そんな一家が本当に皇室と関わりをもっていいのか甚だ疑問が残ります。

 今のニッポンはコロナで右往左往の状況。月日が経つうちに小室家のやってきた行いも忘れ去られるかもしれませんが、人を利用しても望みのモノを手に入れる生き方を善しとする。そんな世の中にはなって欲しくないと切に思うのです。

漫画家・コラムニスト 辛酸なめ子

週刊新潮 2020年12月10日号掲載

特集「『眞子さま』ご結婚でどうなる『髪結いの亭主』との生活設計」より

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