韓国で「背伸びして身の丈に合わないクルマに乗る貧困者」が後を絶たない理由

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サラ金に手を出してアウディ購入

 一方、2018年にインターネットコミュニティで、ある出来事が話題になった。

 コトの発端は、20歳になったばかりの若者が、「兵役を終えていない者も分割払いで輸入車を購入できる」という広告を見て、4,300万ウォン(約420万円)のアウディA5を購入したもの。

 兵役を終えていない者は制約が多く、20代の場合、低金利で金を貸す銀行や金融機関はほとんどない。

 おそらくはサラ金の高金利分割払いプログラムを利用したのだろう。

 食堂でアルバイトをしながら車代を稼ぐと明らかにしたが、時給は約7,530ウォン(当時約730円)で、1日8時間勤務の月収は200万ウォン(約19万円)程度にしかならない。

 他人がとやかく言う筋合いではないが、正常な消費とは言えないのだ。

 カープアの事例は、いかに韓国で車を購入しやすいか、つまりは自分の身の丈に合わない消費が発生しやすいかを示しており、それは決して珍しいことではなく、韓国人の消費がねじれているということになる。

 他人が個人の消費に干渉できるわけではないが、無理な消費は社会問題となり、直接・間接的な被害が発生しうるものだ。

 割賦金を返済できないと中古車として回収され、あるいは差し押えられて競売に掛けられる。

 返済できなければ金利の多寡に関係なく信用不良者になる。

 ある日刊紙の資料によると、現在約105万人いる韓国の信用不良者は、20代と30代が最も多く、毎年増加傾向にあるという。

 学資金のためや自営業者の借金ももちろんあるが、カープアも含まれる。

 他人が自分をどのように見るかばかりを意識し、自分の状況は考慮しない消費行動。成熟した国民性とは程遠い人たち、ということになるだろうか。

ソウルトンボ
ソウル在住の韓国人ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月5日掲載

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