市庁舎に自分用「サウナ」を設置した池田市長 今度は市議に1000万円の損害賠償請求

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市長コメントに反論

 一体何があったのか、「青風会議員団」幹事長を務める渡邉千芳市議(66)に取材を依頼した。

 渡邉幹事長は池田市職員などを経て、1999年の市議選で初当選。以来、6期連続当選を果たし、市議会議長も経験している。文字通りの“ベテラン議員”だ。

「私たちは冊子『青風会プレス』を年に数回、1号あたり約4万部を発行し、市内の各家庭に配布しています。市議会における我々の活動を知ってもらうためですが、冨田市長は、11月初旬に発行した秋季号に掲載された記事が名誉毀損にあたると主張しています」

 問題の記事は、「週刊誌に掲載された市長発言は事実無根!」というタイトルだ。

 記事は《「池田市長、庁舎にサウナ!」というニュースが飛び込んできた》ことを伝え、冨田市長が記者会見を開いたことを紹介。一部の市民からは《「謝罪すれば許されるのか?」》と疑問の声が上がったことも指摘している。

 さらに記事は《10月26日(月)発売の週刊誌》について言及する。具体的な雑誌名は書かれていないが、発売日と内容から週刊ポストだと分かる。

「青風会プレス」の記事は、ポストに掲載された市長コメントに疑問を呈したのだが、この部分はポストの原文から引用させていただく。

《市長を直撃すると、「住んではないです。徹夜ということはありますが。部屋も議会で取り上げられた時に、議員の皆さんに見てもらったが問題ないと(言われた)」と回答》

 この市長の弁明に対し、「青風会プレス」の記事は《青風会議員団5名は「この件について容認した事実はない!」と言っておきます!》と指摘したのだ。

「今年3月の市議会で、議員有志数名がベッドやエアロバイクが置かれた様子を視察しました。我々の会派に所属している議員もいましたが、容認したという事実はありません。そもそも当時の市長は市内のマンションで奥さまやお子さんと一緒に暮らしておられました。市役所にサウナも設置されていませんでした。問題となった状況とは明らかに違っています」(同・渡邉幹事長)

「回答の必要もありません」

 冊子で「容認していません」と疑問を呈したことが、なぜ名誉毀損にあたるのか、渡邉幹事長は「全く理解できません」と言う。

「百歩譲って、週刊ポストの記事は市長にとってはデタラメであり、我々が冊子でデタラメな記事を“拡散”したことが、名誉毀損にあたると言いたいのかもしれません。我々は法曹家ではありませんから、週刊ポストの記事が冨田市長の名誉を毀損したかどうかについては、裁判所が判断するまでは分かりません。とはいえ、ポストの記事で指摘された問題意識は共有していますし、市長の問題行動はポストが報道するに値することだと考えています」

 青風会は、所属する市議5人全員の連名で「回答書」を作成。冨田市長と弁護士に対して《本件文書は一定の政治性をおびた恥ずべき文書というほかなく回答の必要もありません》と損賠賠償金の支払いと謝罪広告の掲載を拒否する考えを伝えた。

 すると、冨田市長の弁護士からは「ご回答」が送付された。これも一部を引用しよう。

《既に大阪地方裁判所に訴えを提起しました「週刊ポスト」のそれに併せて、貴殿らの行為の違法性と損害の評価について、裁判所にて判断を頂くことになろうかと思います》

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