競馬通DAIGOが「ジャパンカップ」の見所を徹底解説 「向こう100年、こんな戦いは見られない」

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「終わるのが怖い」

 この三つ巴の戦いをたとえれば、と再びDAIGO。

「年代はグチャグチャですけど、レベル的には『ドラゴンボール』の悟空と『ワンピース』のルフィ、『鬼滅の刃』の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が戦うようなもの。政治で言うなら、中曽根康弘さんの総理後継を争った、うちの祖父(竹下登)か安倍晋太郎さんか宮沢喜一さんか、みたいな感じですかね」

 87年、“安竹宮”が総裁の座を競い、安倍最有力とされるなか逆転の中曽根裁定で竹下総理誕生……このたとえは言い得て妙だが、DAIGOはどの馬を推しているのか。

「3頭とも好きなんですが、アーモンドアイには圧倒的な強さを感じますね。特に、2分20秒6という世界レコードを叩き出した一昨年のJC。僕は生で観ていたんですが、ありえない速さには衝撃を受けました。まるでゲームの世界のように感じたものです。そんな強い記憶があるだけに、アーモンドアイはちょっと次元が違うという印象です」

 そう明かしつつも、

「僕はディープが大好きだったので、息子のコントレイルにも強い愛着があります。ディープの子どもたちのなかで断トツの成績を収め、父と同じく無敗で三冠を獲りました。もちろんデアリングタクトも応援したいですよ。小さな牧場から出た馬がここまで活躍するのは競馬界の活性化に繋がるし、僕らも元気をもらえるじゃないですか。でもレースは観たいけど観たくない。終わってしまうのが怖いんです。スターホース3頭が同時に1着なんてことはありえないのですから」

 では、杉本アナはどうか。

「アーモンドアイは個人オーナーではなく共同オーナーの所有。クラブによっていろんな約束事があり、彼女のケースは競走馬生活が6歳の3月までと決められています。となると、5歳のアーモンドアイの残りレースはJCか有馬記念でした。彼女は昨年の有馬記念で惨敗しているので、その雪辱で有馬に出ると思っていましたが、秋の天皇賞の勝利後、体調がいいからとJCを選んだわけです」

 対するコントレイルとデアリングタクトは、

「3歳なのであと2年くらいは走れます。実は、2頭とも無理してJCに出る必要はないのです。JCに出たら、必ずどちらかに負けがついてしまう。だからJCには出ず、無敗を守る選択肢もあったはず。しかし調子のいいときに走るべきだと、出走を決めました」

 そんなドラマもあり予想には苦しんでいて、

「どの馬を買うか、答えが出ません。成績だけを見たら、アーモンドアイは14戦中1着が10回、2着2回、3着1回(残り1回は9着)。コントレイルは7戦全勝、デアリングタクトは5戦全勝です。3頭ともすごい実績だから比較できないし、レース展開を読むのも難しい。悩みに悩み抜いて、結局買わないかもしれません。あるいは、3頭の3連単だけ全通り買うとかね」

 そんな買い方でも楽しめるのでは、と言う。

「競馬をやったことのない人も、そんな買い方で馬券購入を試してみてはいかがでしょう。当たっても当たらなくても記念になりますからね。3頭の背景を知れば、いかに歴史的なレースか感じられますし、コロナで沈んだ気持ちが少しは弾むかもしれません。それに、今年のJCは何十年後かにも振り返られるような、貴重なレースになります。“ああ、三つ巴の対戦はコロナの年だったなあ”と」

 そんなスペシャル・ドリーム・レース。ぜひともご注目あれ。

週刊新潮 2020年12月3日号掲載

特集「『DAIGO』『杉本清』が熱く語る『ジャパンカップ』の見所 最強『アーモンドアイ』に挑む『エリート血統』と『雑草育ち』世紀の三つ巴対決」より

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