「文在寅」大統領の完全敗北 「日本海」は残り、「東海」表記が世界から消える理由

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墓穴を掘った韓国外交部

 S-130が標準化されて「日本海」あるいは「東海」が数字で表記されるとあっても、1929年から現在までIHOのS-23が標準として使用され、多くの国から「日本海」と呼ばれており、隣国の中国やロシアですら「日本海」を一般的に使用している。

 2014年の韓国側の統計によると、世界では「日本海」と「東海」を併記する割合が40%に近いとしたが、顧みると世界の60%が「日本海」や「東海」を単独で使用していることになる。

 単独となれば、どちらをより多く使うかは明らかだ。

 結局、S-130で数字が新しい標準に指定されるとしても、実際には既存の名称が使われるのである。

 これから全世界の海域に数字が付与されるからといって、地中海、太平洋、太平洋に数字を適用するのはナンセンスと思わないのだろうか。

 日本政府の韓国に対する輸出規制で韓国内に反日感情が高まっていた昨年9月、韓国政府はホームページなどに「東海」ではなく「日本海」と表記している公共機関を大々的に摘発した。

 そして今年10月23日、文在寅大統領は自身のフェイスブックに「日本海表記が正しいという日本の主張は、歴史歪曲だ」とコメントしている。

「私たちは再び日本に負けない」という文在寅大統領の“迷言”のように、彼にとって「東海」が「日本海」と呼ばれることは「敗北」を意味し、そのような負けが絶対にあってはならないと考えたのだろう。

 そしていつの日か、世界が「東海」と単独表記する夢を見たのかもしれない。

 しかし、韓国外交部が「新たな標準」に執着するあまり、「東海」表記を出版物やデジタル版の標準として使用できなくなったのだから、これほど気の毒なことはない。

 もちろん、文在寅大統領が「東海」という名称をこれ以上使用できないわけではない。それは勝手だが、どこの国でも標準として認めることはありえない。

 文在寅大統領は、貴重な「反日カード」を1つ失ったことになる。

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月23日掲載

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