「目障りだった」が犯行動機……渋谷「女性ホームレス殺人」で逮捕された46歳男の正体

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 11月16日早朝、渋谷区の幹線通り沿いで起きたホームレス襲撃死亡事件の犯人は、現場から僅か800メートル先に住む男であった。

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 21日、警視庁は「リカーショップよしだや」勤務の吉田和人容疑者(46)を傷害致死の疑いで逮捕した。

「捜査一課は防犯カメラの解析で、すでに吉田をマークしていました。それを察知してか、吉田は午前3時に母親を伴って近くの交番に出頭したのです」(警視庁担当記者)

 死亡した大林三佐子さん(64)は、住所不定のホームレスだった。吉田容疑者は、京王線幡ヶ谷駅近くの甲州街道(国道20号)沿いのバス停に座っていた大林さんを、突然、ビニール袋を使って殴りかかった。

「防犯カメラには犯行の一部始終が写っていました。吉田は何かが入ったビニール袋を大林さんの頭部めがけて振り下ろし立ち去った。逮捕後、中身は石と明かし、『まさか死ぬとは思わなかった』と供述しています」(同)

 吉田容疑者は現場から、徒歩で10分ほどまっすぐ下った幹線通り沿いの酒屋に勤務、店が入ったマンションの2階で高齢の母親と二人住まいだった。

 吉田容疑者の配達先だったという近隣の居酒屋店主は驚きを隠さない。

「襲撃があった当日も、翌日も、彼はいつも通り午後5時半ころ、配達に来ていました。一昨日はお母さんが代わりにきましたが、(出頭する直前の)昨日も来ていました。まったく変わった様子はなかったですよ。口数は少ないですが優しそうで真面目な人です」

 もともと酒屋は、吉田容疑者の父母が切り盛りしていたが、5、6年前に父親が逝去。それから吉田容疑者が手伝うようになったという。

「それまでは引きこもりがちだったと聞いています。生前、お父さんは息子を心配していました。ただ、跡を継いでからは真面目に働いていましたよ。お母さんと一緒に清掃のボランティアにも参加している、と自分でも話していた」(同)

 一方、近隣住民とトラブルになっていたという証言もある。

「一年半くらい前から何度も自宅を訪ねてきて、『アンテナの位置を変えて欲しい』と言うのです。『私にとって自宅のバルコニーから見える世界がすべてなので、景色を変えたくないのです』と。窓辺に置いてあった観葉植物まで気になるようで、『室内の灯りを通して、植物の影が外に落ちるから遮光性のカーテンをつけてほしい』とまで要求されました。計10回くらいは来たと思います」(近隣住民)  

 犯行動機については、

「以前から、いつも深夜になるとバス停のベンチで寝ていた大林さんは目障りだと感じていて、犯行に及んだと話しています」(先の担当記者)  

 身勝手極まりない男の衝動で、尊い命が奪われてしまったのである。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月21日掲載

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