「徴用工」で焦る文在寅、日本との関係改善を急ぎつつ 「親日派」は排除され続けて

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「民心を欺く演技」と北朝鮮から非難され

 文政権と与党民主党の政治基調は「反日」で、日本帝国主義時代に少しでも日本に同調した人物には“親日派”の烙印を押し、自分たちの性向と合わない人を“親日派”“土着倭寇”と罵る。

 共産主義を選択して戦争を起こし、同じ民族を殺害して朝鮮半島を支配しようとした北朝鮮に対しては「平和と共存の対象」だと述べ、常に負け犬の態度を見せる一方、日本には「絶対に負けられない」と立ち向かう。

 そんな文大統領が北朝鮮から「親日・売国奴」と罵られた。

 9月16日、文大統領が菅義偉首相の就任を祝う書簡を送ったのを受け、10月24日、北朝鮮の宣伝媒体メディア「わが民族同士」はこう非難した。

「(韓国が)少し前まで『克日』『反日』と口にするときは少し自尊心が見えたが、日本は我々に対し、言葉にできない不幸と苦痛を強要した『不倶戴天の敵』である」

「韓国が姿勢を低くして、日本にこびへつらう行動を見ると『克日』『反日』は民心を欺く演技に過ぎなかったようだ」

 もちろん、これに対して韓国政府は沈黙を守っている。

 文大統領は11月14日、第23回アセアン+3首脳会議で「日本の菅首相にお会いできて嬉しいです」と他の首脳には触れず、菅首相にのみに言及している。

 韓国政府の関係者はこう明かす。

「政府は、元徴用工賠償判決による日本企業の資産売却が目前に迫るいま、日本政府による“措置”を憂慮しています」

「したがって、日本との関係改善に向けて素早く動いており、文大統領は菅首相との対話と首脳会談を求めているのです」

 もっとも、菅首相がこれに応じる気配はまるでない。

 韓国銀行が暢気に100ウォン硬貨の肖像を入れ替える作業をする一方、焦る文大統領に北朝鮮はふたたび「親日・売国奴」と非難する声明を発表するかも知れない。自業自得としか言いようがない。

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月20日掲載

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