「日本学術会議の日共支配」は39年も前に指摘されていた 執筆者が改めて語る問題点

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求められる民営化

 15人の委員会なら、過半数は8票。左派の委員が5人、リベラル派の議員が10人だったとすれば、左派の意向が委員会に反映されることはないはずだ。

 ところが、リベラル派は学術会議の活動に熱心ではない層が存在する。左派は誰もが活動に打ち込んでいる。

 リベラル派の出席率は悪い。6人が休んで9人になってしまえば、5対4で左派が過半数を取ってしまうことが可能になる。

 屋山氏は「今でも日本学術会議の会員は、政治的には偏向していない人が大半だと思います」と指摘する。

「それでも会議の論調を左傾化させることは、決して難しくはありません。左派が団結して自分たちの主張をゴリ押しすると、普通の会員は嫌がって議論を放棄してしまいます。議論をまとめる責任者も日本人らしく、波風を立てず、つつがなく議論をまとめ上げようとします。こうして声が大きな左派の方が勝ってしまうのです」

 屋山氏は抜本的な改善策として「民営化」を提言する。

「まずは会員の払う会費と、寄付で運営してみるべきです。税金が使われず、内閣の一員という位置づけがなくなるのであれば、どのような提言を行っても自由です。それこそ学問の自由によって守られるべきでしょう」

 屋山氏は民営化で“副産物”が生じる可能性があるという。それは「日本学術会議の自浄作用」だ。

「学術会議は2017年、『軍事的安全保障研究に関する声明』を発表しました。大学などの研究機関は軍事研究に関与すべきではないという内容で、現在の学術会議見直し議論でも指摘されることの多い声明です」

 このいかにも左派らしい声明だが、屋山氏は「内部では異論も多く、発表にあたってはかなり玉虫色の表現に後退した」という経緯を耳にしているという。

「何が何でも軍事研究反対という会員も実は少数派なのです。民営化が実現すれば、自分たちが会費を出しているからこそ、より現実的で内容のある議論が期待できます。多数派の良識が学術会議の政治的偏向を是正するかもしれないのです」

週刊新潮WEB取材班

2020年11月17日掲載

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