殺人クマでも駆除しないで!……猟友会や自治体に抗議電話する人々の正体

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麻酔銃では危険

「クマを殺すな」という抗議の中には、駆除ではなく麻酔銃を使えという意見もあるという。

「クマを射殺せず、麻酔銃で眠らせて森へ返せというのは、無理な注文なんです。麻酔銃の射程は数十メートルしかなく、至近距離から撃たないと当たりません。また、当たっても、眠るまでに20分、30分かかりますから、その間にクマが襲い掛かってきます」(同)

 先の猟友会員によれば、

「麻酔銃は、もともと日本猿用に開発されたものですから、ツキノワグマには効き目が弱い。猟銃を持ったハンターがいないと危険ですね」

 罠で捕まえる方法はどうか。

「罠で捕まえて、山へ帰すというわけですが、一度人里に来たクマは、山に返してもまた戻ってきます。山にあるドングリよりも、人里にある野菜や果物の方が美味しいからです。クマには2種類あって、人間に慣れてしまって人里に現れるクマと、人を見ると怯えて逃げるクマがいます。人里に現れるクマは、駆除するしかないのが実状です」(田中氏)

 年々増え続けるクマは、あと10年もすれば、大都会にも現れるようになるという。

「東京や関西の大都会でもクマが出没するようになれば、抗議していた人たちもクマの危険性を認識するのではないでしょうか」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年11月11日掲載

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