「菅官房長官に話しに行く」と神奈川県を“恫喝” 「菅総理」密接業者が公有地を転売

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5億円台半ばで…

 いずれにせよ、重大な契約違反であることは間違いない。本来ならば、契約自体を無効にして、成光舎を訴えてもおかしくない。それが県民に対する誠意と言ってもいいだろう。

 しかし、県はなぜか寛大だ。これだけコケにされているにもかかわらず、「保育所建設は困難」「成光舎は努力した」となぜか理解を示し、6月には、用途指定を解除。晴れてこの土地は転売を認められてしまうのだ。

 翌2016年8月、「SJ」は、この土地を一括でさる大手住宅メーカーに売却する。さらなる売買を経て土地は今の姿に至る。メーカーは購入額を明かさないが、県内の不動産関係者によれば、

「河本さんはこの土地を5億円台半ばで売りに出していました」

 というから、メーカーにも同程度の値段で売った可能性が。差額2億円近く、まさに濡れ手で粟となった可能性も否定できない。

 本来あり得ない計3回の全面譲歩。なぜ、こんな異例の取引がまかり通ったのか。なぜ河本代表は「特別扱い」されたのか。

「菅さんのタニマチ」

 県とのやり取りの記録からは、彼のタフネゴシエイターぶりが浮かぶが、それ以外に、河本代表に特別な背景があるとすれば、

「菅さんのタニマチであることでしょう」

 とさる神奈川県政関係者。

 二人の関係は古い。菅総理が代議士に初当選した1996年には、既に成光舎は菅氏の関係政治管理団体に献金をしている。

「河本さんは、ある県議から紹介されて市議時代の菅さんと知り合った。以来、本人も菅さんとの関係を自慢していましたから、県の政界では、『菅さんの太いスポンサー』として知られた存在でした」(同)

 その後、2007年まで成光舎は菅総理の関係政治団体に寄付を続ける(2000年を除く)。合計金額は342万5千円に上る。

「二人の関係はそれだけに留まりません」

 と、別の県政関係者。

「2007年のこと。当時、菅さんは自分が所有する横浜市内のビルに事務所を置いていました。しかし自分の物件に多額の家賃を計上しているのはおかしい、とメディアに批判されたのです。いわゆる事務所費疑惑で、菅さんは“問題はない”と反論しますが、やはり追及の種を残しておきたくなかったのでしょう。報道の3カ月後、ビルを売却した」

 そのビルを買ってあげた相手こそが「成光舎」であった。そして、

「菅さんはそのままそのビルに事務所を置いていましたから、河本さんは菅事務所の『大家さん』にもなったわけです。更に翌2008年、菅さんは事務所を市内のビルに移転しますが、そのビルの持ち主も、河本さんの関連会社でした」

 つまり、菅総理にとって河本代表は「スポンサー」であり、「不動産売却相手」であり、「事務所の大家」という“親密交際相手”なのである。

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