中国が「尖閣」を狙う本当の理由 「国防」の裏側と「自衛隊」のリアルとは 『空母いぶき』かわぐちかいじ×『邦人奪還』伊藤祐靖

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「右がかってんじゃないの、あいつ」

か 自衛隊に最初に入隊する時点で、もうその疑問はあったんですか。

伊 ありました。

か 周りはどうですか。

伊 周りはもう、全然です。バブルの絶頂期で自衛隊員の募集に一番苦労している時期で、平均レベルは低いし、志もないように思えました。付き合っていくと皆、ちゃんとそれなりの志を持っているんですが、それを口に出すことが照れくさいというか、「右がかってんじゃないの、あいつ」と言われてしまう。そうした風潮が蔓延していて、真剣な議論をなかなかできませんでした。

かわぐちかいじ
漫画家。1948年、広島県尾道市出身。明治大学文学部日本文学科卒。90年、『沈黙の艦隊』で第14回講談社漫画賞。2002年、『ジパング』で第26回講談社漫画賞。ほか著作多数。現在、。「ビッグコミック」(小学館)にて「空母いぶき GREAT GAME」を連載中。

伊藤祐靖(いとう・すけやす)
元海上自衛官。1964年、茨城県出身。日本体育大学卒。87年、海上自衛隊に入隊。99年、イージス艦「みょうこう」航海長として能登半島沖不審船事案に遭遇。自衛隊初の特殊部隊「特別警備隊」の創設に携わり、2007年に退職。著書に『自衛隊失格』『邦人奪還』など。

週刊新潮 2020年10月22日号掲載

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