映画「鬼滅の刃」大ヒット、収益は300億円以上? 莫大な利益をもたらす仕組みを解説

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異例の製作体制

 映画『鬼滅の刃』が史上最速で興行収入100億円を突破し、空前の大ヒットを記録している。コラボ商品、グッズも数多く展開するこの作品、一体いくら稼ぎ出すことになるのか。

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 集英社、企画や配給も行うアニプレックス、制作を請け負ったユーフォ―テーブルの3社で製作された本作。アニメ業界の関係者は「非常に珍しい形式」と解説する。

「通常は製作委員会が作られ、例えば10社が出資し、莫大な製作費を賄います。しかし、この映画はヒットすることを見越してわずか3社で製作した。もちろん、出資額は増えますが、その分リターンもアップします」

 映画のキャラクターを使ったコラボ商品も数多く展開されている。

「この映画の特徴はコラボの多さ。くら寿司やローソン、ダイドードリンコなど、業界では“こんなところともコラボしているのか”と驚きが広がっています」(同)

 こうした二次使用の収益について著作権や商標権に詳しい平野泰弘弁理士は、

「金額は当事者間で決められるものですが、一般的には売価の5%と言われてる。キャラクターの絵が入ったお菓子を100億円売り上げたなら、約5億円のライセンス料が発生します」

 そして、肝心の興行収入の取り分は――。

「興行収入が200億円だった場合、100億円は劇場、残った100億円のうち1割から3割は配給会社(注:この映画では東宝とアニプレックス)に入ります。さらに残った70億から90億のうち、作者に入る原作使用料などを差し引き、最終的に残った額を出資比率に応じて製作3社で分配することになります」(芸能記者)

 興行収入に加えグッズなどの関連売上も含めれば、映画化による最終的な収益は300億円以上になるのは確実と見られている。なおも盛り上がり続ける鬼滅現象。10月29日発売の週刊新潮では、制作の舞台裏や、原作者の知られざる“素顔”についても詳報する。

2020年11月5日号掲載

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