「三浦春馬さん」死去から3カ月 「気付いてあげられなかった」と悔やんでいる方へ

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「遺書を書かないのはそんなに珍しいことではありません」

 この遺書についてですが、前出の心理学者の方に伺ったところ、

「遺書を書かないのはそんなに珍しいことではありません。幾日も苦悩し思い詰めて自死を選ぶ場合もありますし、衝動的に自らの命を絶つ場合もありますし、これに関しては様々なケースがあります。日本はとかく自殺と遺書の存在を当たり前のように結びつけて考えますが、それはあくまでも先入観に他なりません」との答えが返ってきました。

 さらに彼の死後語られた様々な事例を他殺もしくは不審死と結びつける、ファンの方々や世間一般の皆さんの心理状況についても、

「真相のほどは断定できませんし警察発表が真実であると仮定した場合での意見になりますが、『彼が自殺なんかするわけがない、嘘であって欲しい』という願望から様々な意見がなされていると感じます」

と言います。さらに、

「その後に亡くなった俳優や女優の方々と彼の死を結びつけることは大変乱暴な論だと思います。そして私個人の意見としては、そんなことをしてどうなるのか、誰かが救われるのかとも思いますね」

「確かに接点はあったようですし、なんらかの影響はあったのかもしれませんが、それとこれとが直結しているように考えることは故人に対しても大変失礼だと思います」

個人の苦悩であったり問題であったり…

「著名人の死、特に自死に関しましては常にこういった論調になりますし、そういった書籍が多数出版されてきたことも存じていますが、思っているほどその真相は複雑なものではなく、あくまでも個人の苦悩であったり問題であったりすることが多いとも思っております」とのご意見も頂きました。

 ファンの方からしたら全く納得のいかない死であることは理解出来ますし、特別ファンであったとは言えない私でも、彼が存在しない芸能界に対しての大きな喪失感や悲しみはあります。

 しかし、今後その死に対して無闇な追及をすることを三浦さんが望んでいるかと、今一度胸に手を当てて考えることも必要ではないでしょうか?

 彼が過去に携わってきた作品に触れ様々な感情を抱くことが、残された者が出来る供養であると思います。

 私個人としましては、かつて某テレビ局のメイクルームで鏡越しに見ました三浦春馬さんの涼しくも美しい目が忘れられません。

 改めまして、合掌。

徳光正行(とくみつ・まさゆき)
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。日本大学芸術学部在学中よりミュージシャンを目指すが、父の病により断念。その後、司会業やタレント業に従事する。また執筆活動にも着手し『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』などを上梓。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』を出版。現在YouTube「徳光ちゃんねる」でも活躍中。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年10月25日掲載

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