中国雑貨「メイソウ」が米上場 9割が中国製でも“日本ブランド”を売りにする商魂

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品質や技術は、儲かれば後からついてくる

 メイソウの商品は当初、品質は良くなかったという。

「日本ブランドを売りにしているのに、品質は普通の100円ショップと同じで、日本語表記もいいかげんでした。本社所在地も、実際には存在しない日本の地名を書いたりしていました。ところが、店舗数も増え、海外展開するようになると、次第に品質が良くなってきました。今では日本語の表記も正確です」(同)

 なぜ、品質が向上したのか。

「日本の場合、最初に品質、技術ありきでないと成功しませんが、中国の場合は逆なんです。品質や技術は、儲かれば後からついてくるという考えなのです。今やメイソンの商品は、ダイソーと比べても遜色ありません。映画『スパイダーマン』や『アベンジャーズ』などの関連商品を扱う米マーベルとコラボしたキャラクター商品も扱っています」(同)

 ダイソーの商品がハイクオリティなのは、日本では有名だが、

「ダイソーはひとつの商品を何十万個単位で発注するので、ハイクオリティな商品でも仕入れ価格がかなり安くおさえられます。おそらく、メイソンはそれを目指しているのではないでしょうか。バイイング・パワーの向上ですね」(同)

 ダイソーの店舗数(2020年2月末時点)は、日本3493店、国外26カ国2248店。計5741店となる。一方、メイソウは、2020年6月末時点で中国国内に2533店、80以上の国と地域に1689店。計4222店。海外出店を加速させており、2022年までに100カ国、1万店にすると公表している。

「中国国内もそうですが、インドネシア、南米、インドでも充実した品揃えで、ハイクオリティな商品を展開しています。日本にとっては脅威になるかもしれませんね」(同)

 メイソウの2019年6月期は、売上は190億元(約2938億円)に達した。2020年6月期はコロナの影響で、売上は89億7900万元(約1388億円)と大幅に減少し、2億6200万元(約41億円)の赤字となった。が、ニューヨーク市場の上場で6億ドル(約630億円)を調達している。1万店の店舗展開も現実味を帯びてきたという。

 日本ブランドを売りにする間は、高田馬場店は営業を続けるということか。

週刊新潮WEB取材班

2020年10月23日掲載

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