ノブコブ徳井が相方・吉村との20年を語る 「殺意」はやがて「感謝」になった…

徳井健太(平成ノブシコブシ) 逆転満塁バラエティ エンタメ 芸能 2020年10月17日掲載

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 平成ノブシコブシ・徳井健太がお笑いについて熱く分析する連載「逆転満塁バラエティ」。

 第2回目は相方の「吉村崇」について。

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コンビは15年で「兄弟」になる

 まず、最初に言いたいのは、コンビは友達じゃないということ。コンビを夫婦に例える人もいるがこれも違う。

 私が思うに、コンビは兄弟だと思う。

 姉妹や姉弟、兄妹とも違う。男同士の兄弟。これにコンビというのは酷似している。……と言っておきながら私には兄や弟がいないので本当のところは分からない。けれど個人的世論調査結果で考えると、コンビは兄弟。

 兄弟は仲が悪い。もちろん逆に仲の良い兄弟もいる。けれど兄弟の8割以上は仲が悪い。仲が悪いとはいっても血が繋がっている。血は繋がっていなくても、家族だったりする。だから仲が良かろうが悪かろうが他人には一切関係ないし、何かを言われる筋合いもない。

 思春期を迎えて以降、一緒に買い物に行く兄弟なんてほとんどいないし、恋愛相談するような兄弟もいないだろう。連絡なんて親族の冠婚葬祭くらいだろうし、子供の頃は殺し合いに近いような喧嘩もしていたはずだ。

 そういった期間を経て、60歳も過ぎたあたりに二人きりで酒を飲み交わすような関係になる――それが兄弟だ。どんなに仲が悪くても、縁までは切らない。そのこと自体が面倒だろうし、関わらなければ別に兄弟でも構わないのだ。

 コンビの仲もそれと同じだ。家族だから、兄弟だから、コンビだから。だから、仲が悪かろうが解散などしない。

 もっと言えば、コンビは結成15年以上になると兄弟になる。そうなると、相方がどうなろうと知ったこっちゃないし、好きなようにしていたらいい。いつまでもわーわー言ってくる兄貴は嫌われる。ぶつぶつ文句を垂れ続ける弟には腹が立つ。

1度目の“解散”直後の雀荘で…

 僕と相方の吉村崇がコンビを組む「平成ノブシコブシ」は今年でちょうど結成20年、5年前から我々は、兄弟になった。

 過去に解散の危機は何度かあった。というか、僕は常に解散しようと思っていた。だから吉村から「解散だ」と大きな声を出されたら、すぐに「分かった」と言うようにしようと決めていた。

 最初に「解散だ」と言われたのは、コンビ結成5年目くらいの頃か。僕が寝坊をしたせいで起きた喧嘩だった。今改めて考えなくても分かる、全部僕が悪い。悪いが、もう辞めようと決めていたので、吉村から大きな声で「解散だ」と言われた時、小さな声ですぐに「分かった」とだけ言った。

 その後新宿で麻雀を打ちながら「あー、これでようやく自信のないお笑いを辞めることができるなぁ、この先の人生は何をしようかなぁ」そんなことを考えていた。

 対面からロンの声が上がった時、携帯電話に着信があった。吉村からだった。対局を止め、一旦店を出る。古いビルの、白い壁紙がヤニで黄色くベタついた薄暗い階段の踊り場みたいな所で電話に出ると「ごめん」と謝られた。続けて「もう一度頑張ろう」と言われた。僕はまた小さな声で「分かった」とだけ言った。ヌルッとしたドアノブを捻り、止まっていた卓に戻り再び麻雀を始めた。

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