メルカリに「創価」「幸福」の本尊が続々と出品の怪 なぜ売るのか? 誰が買っているのか?

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 女優・石原さとみの結婚によって、にわかに「新興宗教」に注目が集まっている。そうした宗教の「本尊」が多数、「メルカリ」に出品されているのをご存じだろうか。一体、誰が売るのか。そして誰が買うのか。

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 メルカリのアプリのダウンロード数は8000万を超え、2020年6月期の売上高は700億円を大きく上回る。気軽に出品できる便利さや、市場にはあまり出回っていないものが安く買えることもあって、多くのユーザーが利用している最も身近なフリマアプリといえる。そこで今、これまで一般社会に出回ることのなかった宗教用具が、「商品」として取引されているのだ。

 今回は、827万世帯を擁する日本最大の新興宗教団体である創価学会と、世界120か国にあわせて1100万人の信者がいる幸福の科学(ともに数字は公称値)、2つの教団の「本尊」の出品状況について見ていきたい。

 本尊とは〈信仰・祈祷の対象として、寺院の中央に安置する仏・菩薩。画像・曼荼羅(まんだら)・名号などのこともある〉(デジタル大辞泉)とされている。簡単にいえば信仰の具体的な対象のことで、創価学会と幸福の科学ともに、本尊は信仰生活の中心に位置づけられている。創価学会における本尊というのは、自身の命と同じくらい大切なものであるとされており、幸福の科学の場合も、総裁である大川隆法氏の写真やモチーフを本尊としているから、やはり丁重に扱われるべきもののはずである。それほど重要な本尊が、メルカリで大量に出品されているのだ。

創価は3000円、幸福は8000円から出品中

 具体的な出品数を確認していこう。まず、メルカリで「創価学会 本尊」で検索すると、検索結果は143件あり、仏壇や数珠などを除くと全部で66件の本尊が出品されている。「幸福の科学 本尊」での検索結果は62件で、仏壇やお守りなどを除くと56件の本尊が出品されている(2020年10月10日現在)。

 出品価格は、創価学会の本尊は3000~約5万円、幸福の科学の本尊は8000~15万円となっている。また、すでに成立した本尊の取引については、創価学会の本尊は出品価格とほぼ同額、幸福の科学は最大8万円の幅で取引されたことが確認できた。つまり相場は、幸福の科学のほうが高く、最高/最低価格ともに創価学会の3倍程度の値付けになっている。なぜなのか。

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