「巨人・原監督」がぶちあげた「球界再編論」に「私はこう思う」

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

ウィーラーや高梨雄平は水を得た魚のように

 読売巨人軍・原辰徳監督が球界再編論をぶち上げましたね。どうしても「巨人の原監督」がいろいろ意見を出すと球界全体のことではなく「巨人」さえ良ければいいのか! なんて声も聞こえてきますが、そんな小さい次元で語っているのではなくしっかりと未来を見据えた提言をなさっているので、関係者の皆さまもファンの方々も冷静にその提言に耳を傾けてもよろしいのではと思います。

 ***

 では原監督が掲げた提言を見ていきましょう。

・補強期限(トレード)の撤廃

・支配下選手70人枠の撤廃

・セントラルリーグDH制の導入

 字面だけ見ますと確かに巨額資金があるチームが有利にも見えますが、今シーズンそして新型コロナの収束がなかなか見えてこない今後に関しては、これら制度の導入を考えてもいいのかなとも思います。

 まずはトレード期限の撤廃ということなのですが、これは期限云々の前に少し触れておきたいことがございます。

 今シーズンは開幕が6月で全試合数が120、さらに9連戦、時には12連戦などの強行日程。それを見越して巨人は活発に補強を繰り返しました。

 しかし、お得意のというかアンチから忌み嫌われるFAでの補強ではなくトレードによる相互チーム合意の上での補強であります。

 これは結果論になってしまうのですが、東北楽天ゴールデンイーグルスから巨人に移籍してきましたゼラス・ウィーラー内野手や高梨雄平投手は、水を得た魚のように活躍をしてくださっています。

 ウィーラー選手はハクション大魔王に似たその容姿、愛嬌と明るさでムードメーカー的役割をこなすこともさることながら、本業であるプレーにおいても守備・走塁で全力疾走を怠らないその姿勢はチームを鼓舞し、この快進撃を支えてくれる存在になっています。

トレード戦略の妙について

 そして高梨選手は、冷静沈着に与えられた役割をこなしピンチをしっかりと凌ぎ切りベンチに帰っていく姿に頼もしさしか感じません。

 この高梨選手の姿勢に刺激されたのか、昨年、北海道日本ハムファイターズから同じくトレードで移籍してきました鍵谷陽平投手。セットアッパーとして昨年以上の活躍を見せております。

 選手を「埋もれさせない」「腐らせない」、近年特に今シーズン原監督が積極的に行っているトレードはかつてあったマイナス的要素(自球団からのお払い箱的な)が大半を占めたトレードとは真逆の、選手の立場に沿った前向きに活躍の場を広げるそれであることが見受けられます。

 巨人から他チームにトレードされて花開いた筆頭はなんといっても澤村拓一投手ではないでしょうか?

 巨人時代はイップスになってしまったのかというほど硬い動きをしていた澤村投手ですが、千葉ロッテマリーンズに移籍後は唸る直球と高速フォークを武器に大活躍をしています。

 我々素人から見ますと、みんながみんな巨人に注目していた1990年代までとは違い、現在は巨人の選手でいることとその他のチームに在籍することの差があるとは思えないのですが、澤村選手の躍動を見ていますとまだまだそういった部分も残っているのかなとも感じてしまいます。

 そしてもう1人、巨人ファンの間では「他球団に行ったら正捕手間違いなし」と思われていた田中貴也捕手が金銭トレードで楽天ゴールデンイーグルスに移籍しました。故障者が相次ぐ楽天にとって田中選手の移籍は今後も大きな補強となることでしょう。

次ページ:贅沢税導入のすすめ

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。