新型コロナが私を狂わせた……ワクチン株に1000万円をつぎ込んだサラリーマンの告白

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 コロナ禍の収束に期待がかかるワクチン開発。それに命運を賭し、1000万円もの大金をアメリカ株式市場にぶちこんだ猛者がいる。彼を待ち受けるのは天国か地獄か――。

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 吉村武史さん(40代・仮名)は、外資系企業に勤めるサラリーマン。結婚の縁には恵まれなかったが、コロナ禍以前は悠々自適の独身ライフを送ってきた。が、コロナを境に生活が一変した。

 吉村さんが振り返る。

「会社が完全テレワークになってしまったのです。出社しようものなら、上司にいくつもの判子をもらわなければならないくらい厳しい体制。当初は、通勤ラッシュを避けられると喜んでいたんですが、一日中、自宅に篭って、Zoom(ズーム)で会議や商談だのパソコン画面に向き合い続けるのは、ストレスが溜まるもので……」

 そんな吉村さんが気晴らしにと始めたのが、株式投資だった。

「もともと、ちょいちょいやってはいたんですが、オフィスで仕事していると集中してできるものではないですよね。ただ、自宅ならば誰の視線も気にせず株価をチェックできる。気づいたら、激しく乱高下するコロナ相場の深みにハマってしまっていたのです」

一時は日本株で780万円の含み損を抱えていた

 実は、吉村さんがデイリー新潮に登場するのは今回で二度目。3月29日に配信した「『コロナ相場』で私は地獄に落ちた」という記事で、任天堂株などの信用取引に手を出し、780万円もの含み損を抱えてしまった話を紹介した。

 その後、どうなったのか。

「実は奇跡的に助かったんです。コロナが落ち着くにつれて株価が持ち直し、一時はプラマイゼロくらいまで戻すことに成功しました。私の全財産は2500万弱。信用取引だったので、追証(おいしょう)に追証で、一時は全財産の大半にあたるカネを積み増さなければならなかったのですが、『あつ森』ブームで爆上げした虎の子の任天堂に助けられた。あの経験で私はもう日本株はこりごりだと思って、アメリカ株に方向転換することに決めたのです」

 なぜアメリカ株?

「テレワークとはいえ、日中は仕事が山積みです。チャートをチェックし売買を繰り返したりしていたら、到底仕事にはなりません。その点、アメリカ市場が開くのは、仕事が終わった午後10時半。それなら、落ち着いて株に集中できると思いましてね」

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