コロナ特需にも乗れない「韓国」の苦悩 日本と中国の挟み撃ちのオートバイ市場

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日系メーカーか、日本企業と技術提携をしている中国メーカーを選ぶ

 コロナ禍により、飲食配達や通勤用途のオートバイが特需を迎えている韓国。しかしこれらのオートバイ需要の多くが日系、中国系をはじめとした海外メーカーに向かっており、韓国オートバイ・メーカーの経営状況は厳しい状況が続いている。2000年代初頭まで日系メーカーと技術提携しながら、国内市場を独占してきた韓国オートバイ・メーカーはいまや中国製オートバイに社運を託すような状況である。

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 韓国の国土交通部によると、今年1月~8月の二輪車新規使用申告は37,316台で昨年同期(23,263台)比1.6倍に増加したという。

今回のオートバイ特需は、コロナ禍による飲食配達サービス業の伸びと、ソーシャルディスタンスを目的としたオートバイ通勤者の急増が理由とされている。

 世界的にウーバーイーツやグラブフードなどの飲食配達サービスが活況を呈しているが、韓国においてもそれは同様であり、「配達の民族」や「ヨギヨ」などの韓国独自の配達サービスが人気を集めている。

そして韓国の配達ライダー達が業務用に選ぶ125ccクラスのオートバイは、ホンダ・PCX 125cc、そしてヤマハ・NMAX 125ccの2モデルのみ。ほかのモデルには目もくれないという。

 またラッシュアワーの電車、バス通勤による感染を恐れて、オートバイ通勤を選ぶ会社員たちも実用性、耐久性を重視して、やはり日系メーカーか、日本企業と技術提携をしている中国メーカーのスクーターを選ぶ傾向が多い。

 この結果、オートバイ全体の需要増の中で特に日本産オートバイの伸びは顕著である。

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