「周防正行」監督が語る「いい役者」の条件 本木雅弘がハプニングで取った行動とは…

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【対談】映画監督・周防正行×作家・二宮敦人(3/3)

「社交ダンス」という共通項を持つ、『Shall we ダンス?』の周防正行監督と、『紳士と淑女のコロシアム「競技ダンス」へようこそ』の著者で、学生時代踊りに青春をささげた二宮敦人氏。対談で周防監督が語った「いい役者」の条件とは。

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人に「預ける」面白さ

周防 映画って本当に究極の共同作業なんですよ。競技ダンスとか、体育会系運動部に近いのかもしれないけど。

二宮 そうなんですか。

周防 自分一人ではできないからこそ見えてくる面白さがたくさんあるんです。僕が監督になって覚えたのは、「人に預ける」ってこと。セットを任せた美術監督が、シナリオを読んで、こんな感じでどうですかと返してくれるときの驚きたるや! 自分が紙に書くんだったらとてもじゃないけど思いもよらない世界を返してもらえるんですよ。照明も、カメラマンもそう。たとえば、現場で「引き」って言ったときに、このカメラマンはこのシーンをこういう引きで考えるんだって知るのが楽しいんです。

二宮 それがちょっと違うってなったら。

周防 もっとこっちからいけませんかとか言うけど、自分の想像力には限界があるというのが前提なんです。大体のイメージは持って臨むけど、もっといいものがあれば180度違うものになってもいい。ただ、作品の世界観はあるから、スタッフが考えるときの目安を提示する。そうして相手に預けると、いろいろ考えてくれる。監督はそう言うけど、こういうのもあるんじゃないですかと絶対に返してくれるんですよ。

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