今夜は特別編、「私の家政夫ナギサさん」への共感ポイントとは?

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家事ができないこと、家政婦(夫)を雇うことは恥か?

 主として女性たちに大好評だった「私の家政夫ナギサさん」。「家政」が取れて「私の夫ナギサさん」となって、今夜は特別編を迎える。視聴者は「頑張り屋のキャリア女性・多部未華子」に共感したのか、「家事万能で優しくてピンチのときに助けてくれるおじさんの大森南朋」を欲したのか、吉田潮が評価する。

 このドラマを観始めたとき、どうしても検索せずにいられなかった。

「家政婦 家事代行 1時間 料金」

「MR 30代 年収」

「横浜 1LDK 60㎡以上 家賃」

 我ながら相当意地が悪い。でも気になって先に進めず。検索の結果、家事代行は1時間3,000~5,000円、年収は600~700万円、家賃は16~18万円と推測。そこからの「私の家政夫ナギサさん」(TBS)である。

 先週の最終回で、多部未華子演じるメイと、大森南朋が演じるおじさん家政夫のナギサさんは恋愛感情を急速に高めて、婚姻に向かう結末となった。

 タイトルから「家政」の文字が取れて、「私の夫ナギサさん」となったのだ。

 うまいな。そして今夜は特別編だそうだ。ちょっと振り返ってみようと思って。

 冒頭の金の話だが、ドラマの中ではほぼ触れられていないので、銭ゲバの私は自分自身を納得させるために計算した。

 横浜市営地下鉄沿線、リッチで立派な低層マンションの最上階に住むメイ。家賃20万円超えかもな。

 最初は妹(趣里)からのプレゼントとはいえ、その後「週3回・4時間」を雇用契約。カリスマ家政夫のナギサさんだから、1時間5,000円くらいか。でも家族割とか定期契約割引で週3~4万円くらい? 

 つまり月額は12~16万円くらいか。そもそもメイは年収600万円以上ありそうだから、月給は40~50万円。

 浪費癖もなさそうだし、支障ない範囲の必要経費だ。別に恥じることでもないし、贅沢をしているわけでもない。

 なのに、家事ができないこと、家政婦(夫)を雇うことを恥と考えてしまうメンタリティの源は、母(草刈民代)の言葉にあった……という運びである。

医療モノだが医者モノじゃない

 このドラマは主に女性たちに大好評。「頑張り屋のキャリア女性・多部未華子」に共感したのか、「家事万能で優しくてピンチのときに助けてくれるおじさんの大森南朋」を欲したのか。私が評価したいポイントは2つ。

 ひとつめは、医療モノだが医者モノじゃない「変化球」をライトテイストに描いたところだ。ドラマではそんなに描かれていない「MR=医薬情報担当者、という仕事の激務っぷり」がよくわかった。

 メイの生活を見れば、これだけ年収が高いのも納得がいく。帰宅してから勉強を始めて、寝落ちするのも日常茶飯事。

 毎朝6時半には起きて、会社へ向かい、営業先の病院を回り、時にはゴルフ接待も。医者以上に論文やデータを読み込んで、知識と情報をインプットしなければいけない専門職であり、熾烈な戦いを強いられる営業職でもある。

 もうね、家事なんかやらんでええ。アウトソーシングできるならがんがん利用すればいいと思ったよ。

 私事だが、昔、女性誌のライターをしていた頃は医者の取材が多かった。病院やクリニックによく出入りしていたので、MRに遭遇することもあった。

 女性のMRは実にビシッと、でもそこはかとなくセクシーにきめたスーツ姿で、アメリカのドラマに出てきそうな感じだった。

 スケベ医者にセクハラをされても、理不尽なパワハラをされても、医療機器や新薬を導入してもらえるならば笑顔でこなす。

 プライドの高い医者相手の営業なんて地獄だな……そんなイメージがあった。美人でなければMRになれないという噂も聞いたことがある。

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