「農業アイドル自殺訴訟」で場外乱闘 タレント弁護士がちらつかせた“月9出演”話

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「月9」。言わずと知れたフジテレビの看板ドラマ枠である。“月9に出演できるかもしれない”。そんな“夢舞台への切符”について、地方で活躍する「ご当地アイドル」に懇々と語り続けた有名弁護士がいた。だがその後、女性は“ある出来事”をきっかけに「騙された」と憤慨する。それから半年以上の時間を経て、彼女が録音していた音声データがYouTubeで“暴露”されたのだ。一体、何があったのか――。

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 問題の音声データに登場する弁護士は、レイ法律事務所代表の佐藤大和氏(37)。「バイキング」(フジテレビ)のコメンテーターをはじめ、多数のテレビ出演歴があり、芸能界に幅広い人脈を持っているタレント弁護士として知られる。その抜群の知名度を生かし、「紀州のドンファン事件」の妻や、日本体操協会の塚原光男・千恵子夫妻の代理人も務めてきた。

 そんな佐藤弁護士が抱える注目裁判のひとつが、「愛媛ご当地アイドル自殺訴訟」だ。愛媛県を拠点に活動していた“農業アイドル”「愛の葉Girls」メンバー・大本萌景さんが、16歳の若さで自ら命を絶った痛ましい出来事から2年半。「辞めるなら1億円払え」と所属事務所社長が自殺直前に恫喝していた疑惑を、ワイドショーが盛んに取り上げていたことを記憶している人も多いであろう。

 18年10月、萌景さんの遺族は、「自殺は所属事務所のパワハラや苛酷な労働環境が原因である」と、所属事務所「hプロジェクト」の社長らを相手取り約9200万円の損害賠償を求めて松山地方裁判所に提訴。一方、社長側は「1億円発言は事実無根。自殺と事務所の業務は無関係」と争う姿勢を示し、現在も法廷闘争が続いている。佐藤弁護士はこの裁判の原告弁護団の一人なのだが、その弁護活動のなかで飛び出してきたのが、今回の「月9音声データ」だ。

陳述書のサインを依頼する場で録られた15分間の音声データ

 約15分間にわたるこの音声を録音していたのは、「愛の葉Girls」のメンバーだった橋川美紀さん(25)。ご本人が語る。

「萌景ちゃんとは年が離れていましたが、約2年半、ずっと一緒に活動してきた仲間なので、亡くなった時は本当にショックでした。なぜ自ら命を絶ったのだろう、といまでも悔しい思いです」

 だが、遺族が始めた裁判とは距離を置き、双方から接触があっても協力を断り続けてきたという。

「昨年末までは、愛の葉Girlsは新事務所に移籍し活動を継続していました。萌景ちゃんの死と、その後の裁判のこともあり、愛の葉Girlsの活動を色々言う人もいましたが、私たちは、萌景ちゃんの分まで愛の葉Girlsとして前を向いて活動していきたいと考えていました。だから、ドロドロした裁判に関わりたくなかったのです。実際のところ、自殺してしまった本当の理由もわからなかったし」(同)

 だが、提訴から10ヶ月ほど経った昨年8月から9月にかけて、橋川さんは佐藤弁護士ら原告弁護団と面会することになる。

「移籍した先の新事務所の社長から『愛の葉Girlsが全国にいくためには遺族弁護団に対する協力が必要。会って話をするように』と言われたのです。業務命令なので断ることもできず……」(同)

 愛媛までやってきた佐藤弁護士ら遺族弁護団は、前事務所の労務環境や萌景さんとhプロ社長の関係性などについて、細かく聴取したという。

「ただ、私は裁判に協力する気など最初からありませんでした。彼らの話に適当に合わせて答えて、その場をやり過ごしていたというのが正直なところです。弁護団は三度目にやってきた時、私から聴き取ったとする内容を文章にまとめて持ってきました。そして、それを読み上げ、署名押印して欲しいと。さすがに怖くなったので、念のために面会の様子を録音しておくことにしたのです」(同)

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