プーチンの政敵「殺されかけた」は自作自演? 何度も暗殺から「生還」の過去

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 ロシアの野党指導者が毒を盛られた――。そんなニュースが飛び込んできたのは8月20日のことだった。

「狙われたのはアレクセイ・ナワリヌイという、反プーチンの急先鋒と言われる人物。ロシア国内を旅客機で移動している最中に突如、昏睡状態に陥り、緊急着陸して病院に搬送されたのです。関係者によれば、空港のカフェで飲んだ紅茶に毒物が混入された可能性があると」(国際部記者)

 よもやプーチンの仕業かと世界は騒然としたが、

「“またか”というのが率直な感想です」

 と、国際問題研究家の瀧澤一郎氏。

「ナワリヌイ氏が“暗殺”されかかったのは、これが初めてではないんです。よくあること、と言っても過言ではない」

 一体、どういうことか。

「彼は過去に、大統領選に向けた反プーチンキャンペーンで、2度にわたり顔に緑色の液体を浴びせられる被害に遭っている。さらに、腐った牛乳や小麦粉をかけられたこともありますし、昨年、逮捕された際にも、拘留施設で化学物質を投与されて中毒症状を起こしたと主張していました」

 それだけの攻撃を受けながら全て生還。ちなみに、今回の“毒”でも容態は安定しているというから、プーチンの仕業にしては、あまりに成功率が低いのだ。

「生還できたのは喜ばしいのですが、反政府勢力がいとも簡単に暗殺されるロシアで、何度も生還する彼を訝(いぶか)しむ声もあるんです。ネットメディアの中には、彼はプーチンの隠密なのではとか、支持者を引き付けるための自作自演か、なんて報じるところも。そもそも反政府集会を開いても、彼の動員力はせいぜい千人ほど。プーチンの敵ではないとの見方さえあるくらいです」

 魑魅魍魎の国、ロシア。

週刊新潮 2020年9月3日号掲載

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