菅官房長官が密かに進めていた“総理への準備” 麻生副総理、横浜のドンに根回し

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 安倍晋三総理の退陣表明後、にわかに「ポスト安倍」大本命に浮上した菅義偉官房長官(71)。すでに二階派、麻生派、さらに党内最大派閥である細田派の支持を取りつけている。これまで出馬の可能性を一貫して否定していたが、実は着々と布石は打っていたのだ。麻生太郎副総理、そして「横浜のドン」を味方につけた菅氏の策謀とは。

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 8月17日に続き、安倍総理が慶応病院に入った24日――菅官房長官は、密かに、大恩人である人物との手打ちを果たしていた。その人物とは、横浜にある港湾荷役業「藤木企業」会長の藤木幸夫氏。地元企業の役員も多数兼務し、「横浜のドン」と呼ばれる大物だ。

 もともと藤木氏は、菅官房長官が横浜市議だった時代から選挙の支援をするなど、関係が深かった。ところが、横浜が誘致を目指すカジノに藤木氏が猛反対したことから、すきま風が吹き出し、ここ3年ほど2人で話すことはなかったという。

「8月24日、菅さんは藤木企業の会長室で藤木会長と会っています」(藤木企業関係者)

 気になるのは2人の会話の内容だが、

「それは分かりません。ただ、このタイミングで藤木会長を訪ねてきたのは、総理になろうがなるまいが、今後の政局に備えて、自身の足元を固める必要があったから、としか考えられません」(同)

 さらに、菅官房長官は麻生太郎副総理にも「メッセージ」を送ってきた。週刊新潮8月27日号で報じた“金融利権”を巡る共闘だ(「『菅・麻生』が“利権”巡り共闘 東京への『金融センター』誘致を阻止する理由」記事参照)。

 中国による統制強化が進む香港に代わり、現在、次なる金融機能の“受け皿都市”が模索されている。英国のシンクタンクが発表する評価指数によれば、東京は3位と有力候補地のひとつだった。ところが菅官房長官が提案したのは、大阪、そして福岡だった。いわずもがな、後者は麻生副総理の地元。その後、麻生氏は菅氏への支持を固めたのだから、このメッセージがいかに有効だったかがよく分かる。

 いきなりの王手と称される「菅総理」誕生の可能性。9月3日発売の週刊新潮では、「叩き上げ」と言われる菅氏の生い立ち、対抗馬である石破茂元幹事長のインタビュー等と併せ、総裁選の行方について11ページで大特集する。

週刊新潮 2020年9月10日号掲載

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