ウーバーイーツ、人気ナンバー1は「からあげクン」 なぜわざわざ頼む?

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地方、商品点数増に課題

 ローソンの活況を受けてか、ファミリーマートでも、ウーバーイーツのサービス導入が進められている。残るはセブン-イレブンだが、こちらは「セブンミール」という配達サービスを行っている。店舗の前に、セブンのロゴの入った小型自動車が停まっているのを見たことはないだろうか。ただしセブンの場合、弁当などの一部商品の注文は前日までという締め切りがあったり、昼便と夜便の配達時間の制限があったりと、ウーバーイーツに比べると、やや使い勝手が悪そうだ。

「今でこそコロナ不況の影響か、バイトの応募が増えてはいますが、長く人手不足のコンビニ業界では、配達に人手を割くのもなかなか難しい状況でした。だから配達係を外注するウーバーイーツの導入は理に適っているといえるでしょう」(渡辺氏)

 もちろん課題もある。都市部ではウーバーイーツの配達員が溢れているが、地方部では成り手がまだ潤沢ではなく、一部エリアのローソンでウーバーイーツ導入が進んでいないのには、そうした事情があると思われる。本来は過疎地域でこそ、配達は効果を発揮するはずなのだが……。さらには、

「ローソンがウーバーイーツを始めた当初は、配達可能な日用品は3品ほどだったそうです。だからもっと扱う点数を増やせばより便利になるかといえば、そうでもないようなんです。人間の心理として、選択肢が多すぎると選びにくいんです。だから実績を見ながら顧客ニーズに合わせて増やしていく事を検討しているようです。そうした時に課題になってくるのが、店員が行うピッキング作業です。例えばビールの銘柄や文房具の銘柄などを、より細かく指定し、ウーバーで配達してもられるようになったとしますよね。その商品を間違いなく売り場からピックアップするのは、意外と難しい。私だってワインの細かい銘柄を指定されて、すぐには見つけ出す自信がありませんし、これが日本語があまり得意でない外国人店員だったらなおのことです。現状は、ウーバー配達の対象になっている商品のプライスカードにシールを貼ったり、ワインなどにはリボンをつけたりして分かりやすくしているようですが、こうした点も、今後の課題でしょうね」

 とはいえ、今後もコンビニ配達の流れは加速しそうだ。来店せずに商品が自宅へ……ローソンがマチのほっと“ステーション”から“ハブ”になる日も、遠くない?

週刊新潮WEB取材班

2020年8月25日掲載

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