“かわいすぎる中国語講師”段文凝が思わず興奮する北京ダックとは

ライフ 食・暮らし 週刊新潮 2020年8月13・20日号掲載

  • ブックマーク

 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第52回は、段文凝(だんぶんぎょう)さん。今回は「全聚徳(ゼンシュトク) 銀座店」に伺いました!!

 早稲田大学で教鞭をとる“かわいすぎる中国語講師”段文凝さんの出身は、中国北部の港町である天津市。日本人にとっては、天津飯や甘栗でおなじみだが、段先生によると、

「どっちも天津にはありませんよ。今では甘栗はスーパーで売っているけど、パッケージを読むと日本語が書いてある。日本人向けに売ってるんです!」

 とのこと。恥の上塗りをせぬよう、中華料理の極意をレクチャーしてもらわねば。そこで案内してくれたのが、中華の定番にして金字塔たる北京ダックで有名な、東京・銀座の「全聚徳」である。

「北京ダックは端午の節句みたいなお祝いの日に、親戚が10人ぐらい集まってワイワイ食べるもの。このお店は北京に本店があって、本格的なんですよ」

 もう一品、お気に入りが。

「ジャージャー麵は家庭の味で、家によって味が全然ちがいます。一般的に、中国北部の料理は味も色も濃い。四川料理みたいにインパクトがあるわけじゃないけど、パンチはありますよ」

 さて、コースメニューはフォアグラ入りの前菜盛り合わせからスタートで、贅沢極まりない。その後もフカヒレの姿煮や伊勢海老の炒め物など、出るわ出るわ高級食材のオンパレード。ちなみにかの国では、フカヒレとアワビ、ツバメの巣が三大高級品として遇せられているんだとか。

 さて、お待ちかねの北京ダックが運ばれてまいりました。こんがり焼けた、まるまる一羽。うれしいはずなのに、

「顔見えます? ちょっとこわいですよ……」

 そうはいっても、いざカービングが始まるともう釘付け。こちらでは、初めに切り取る胸の皮は、砂糖をまぶして食べるのが流儀。途方もなく香ばしくなる。ダックの顔をこわがったのも束の間、

「やばい! ヤダー! 超おいしい!」

“楊貴妃”の胃袋にスイッチが入ったようです。