岸優太と重岡大毅、24時間テレビに初挑戦…王道の輝きと親しみやすさ

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「俺そういうの好きやわー」「めっちゃ心が広くて、やさしい」

 この映画での重岡の演技は、ファンのみならず評価が高かった。重岡は、菅田将暉に「映画界に絶対に必要な存在」と言ってもらえ、自信になったという。(*9)
そんな「溺れるナイフ」を機に大ブレイクを果たすものかと思いきや……本人も「これが繋がっていくのかなと思ったら、しばらく間が長かった」(*10)と語る通りで、地上波ドラマ出演は2014年の「ごめんね青春!」から2019年の「節約ロック」まで5年の間が空いている。
「どこか認められていないなあ、個人として何かひとつ武器があればいいなと思っていた」と振り返る。(*10)

 しかし昨今は活躍の場も多くなり、「節約ロック」以降、NHKドラマ「これは経費で落ちません!」をはじめ、昨年から今年にかけて5クール連続でのドラマ出演を果たした。

 2020年の日本テレビ系ドラマ「知らなくていいコト」は、従来の男性アイドルが本来演じるであろうヒロイン吉高由里子とのキスシーンもある役を柄本佑が演じ、重岡はヒロインに初回から婚約破棄をつきつける嫌な奴を好演。幅の広さを印象づけた。

 24時間テレビのパーソナリティ&特別ドラマ主演という役を担うこの夏は「アイドルをまっとうするなかでも、庶民的な感覚を大事に、近所の兄ちゃんみたいな親近感のある存在、そんなアイドルになりたい」(*9)と自身が語っていた理想像にまた一歩近づいた感もある。

 ちなみに2011年、ともにジャニーズJr.だった時代に、舞台「少年たち」で、岸優太は重岡大毅の弟役を演じている。
 本来ジャージなど動きやすい姿で向かうはずの稽古場に、私服で行ってしまった岸。怒られるのではないかと怯えていると、「俺そういうの好きやわー」と優しく声をかけたのが重岡だった。そのとき岸は「めっちゃ心が広くて、やさしい」と感銘を受けたという。(*11)

 アイドル王道の輝きを放ちながらも、また違う親しみやすさも持つ2人。
 冒頭にあげた重岡の言葉通り、確かに人間性は「柔」のイメージだが、仕事に対しては「剛」。

 ともに事務所入りしてから10年以上の間、強い意志を持って、実力を積み上げてきた。
「剛」という漢字には、「強い」といった意味の他に「ちょうどその時」「たった今」という意味がある。2人の実力が多くの人に広まるのは、“ちょうど今”なのかもしれない。

*1『ポポロ』2018年11月号
*2重岡大毅、5人の中での役割は〇〇〇〇を出すこと?【24時間テレビ43 メインパーソナリティーインタビュー ~重岡大毅 (ジャニーズWEST) ~】https://www.youtube.com/watch?v=2vhHXeCTTB4
*3『STORY』2018年6月号
*4『ポポロ』 2018年4月号
*5文化放送『KinKi Kidsのどんなもんヤ!』8月3日放送
*6『エンタミクス』2016年3月号
*7『ステラ』 2019年9月20日号
*8『ピクトアップ』2015年2月号
*9『ポポロ』2017年12月号
*10『STORY』2020年4月号
*11『MYOJO』2016年9月号

霜田明寛(しもだ・あきひろ)
1985年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。9歳でSMAPに憧れ、18歳でジャニーズJr.オーディションを受けた「元祖ジャニヲタ男子」。就活・キャリア関連の著書を執筆後、4作目の著書となった『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は3刷を突破。 また『永遠のオトナ童貞のための文化系WEBマガジン・チェリー』の編集長として、映画監督・俳優などにインタビューを行い、エンターテインメントを紹介。SBSラジオ『IPPO』凖レギュラー。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月22日掲載

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