組が解散したら金は? 出世は? 「神戸山口組の乱」平定でヤキモキな長期服役者

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かつては純金メダルと500万円、毎月40万円の手当てが

「神戸山口組の乱」が平定され、神戸山口組最高幹部らの引退、中枢組織である山健組などの分裂・脱退などが報じられている。当然、関係する組織に所属し、獄中で長期服役する者の中には気が気ではない日々を送っている組員も少なくない。それもそのはず、彼らはたいてい組のために身体を張って敵対組織と抗争し、結果として獄中にいるわけだが、その身体を賭したはずの組がなくなるという事態に直面しているのだから。元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏が語る。

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「山一抗争の後は、あれほどの規模の抗争はなかったけれど、それでも組同士の抗争は年中あって、そのぶん長い懲役に行っとるもんがいるわけです。親(分)自らが抗争に出向くということはほとんどないから、親持ちがほとんどなわけで、刑務所を出た時に果たして、自分の組があるか否かというのは切実な問題ですよ」

 と話すのは、竹垣悟氏。竹中組から山一抗争を経て5代目山口組中野会、6代目山口組系初代古川組舎弟頭補佐を最後に05年カタギとなり、現在は暴力団員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を故郷の姫路で営んでいる。

「5代目の時は、ほんの一時期でしたが、懲役から帰ってきたら純金メダルと500万円が本家から支給されておりました。金メダルはすぐになくなったと記憶していますが……。これに加えて各直参が祝儀を持ってきてくれる。そして所属してる組からは、毎月30万円とか40万円くらいの手当てがあるわけです」

「当時は今とは違って暴力団への風当たりはそこまで強くはなかったけれど、それでも抗争事件で殺人罪で起訴され、判決ともなれば20年近い懲役になりますよね。その間に嫁やら彼女やらが逃げてしまう可能性があって、もちろんそういったことはヤクザの間では共有されてますから、本人にちゃんと渡るようにしてたはずです」

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