ジャニーズと24時間テレビ…チャリティーTシャツをデザインした男たち

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TOKIO松岡、嵐大野、KAT-TUN中丸、SMAP香取の4人

 ジャニーズ・タレントが持っているのは、“アイドルとしての才能”だけではない。残暑お見舞い申し上げますとばかりにやってくる、日テレの「24時間テレビ」(今年は8月22、23日)。出演者が着用しているチャリティーTシャツは、番組の顔とも言える存在だ。このTシャツのデザインを、ジャニーズ・タレントが担うことが過去にあった。彼らの創造性からジャニーズの底力について、霜田明寛氏が分析する。

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 ジャニーズが24時間テレビのメインパーソナリティーを毎年担うようになったのは2003年以降。TOKIO、嵐、V6、KAT-TUN、関ジャニ∞……と様々なタレントが担当し続けている。

 その後17年の中で、現在もジャニーズ事務所に所属するタレントのうち、TOKIOの松岡昌宏、嵐の大野智、KAT-TUNの中丸雄一の3人が、Tシャツのデザインをしている。大野にいたっては、草間彌生・奈良美智といった名だたるアーティストとコラボしたときもあり、それを含めると4回である。

 タレントではなく蜷川実花、NIGO、森本千絵、村上隆……といった各分野を代表する面々がTシャツデザインを担当する年もある。Tシャツの売上は番組にとって重要な、チャリティーの寄附金額にも関わってくる。タレントに任せるという話題先行で、メインパーソナリティーであれば誰でもいいわけではなく、クリエイティブ面においてきちんと信頼できそうな人選をしている、というのが実情だろう。

 この24時間テレビのTシャツをデザインしたジャニーズタレントに注目していくと、彼らがいつもスポットライトに当たる側であるからこそ見過ごされがちな、“ジャニーズのクリエイティブ性”が見えてくる――。

 改めてジャニーズの24時間テレビTシャツデザインの歴史をたどると、始まりとなったのは意外にも2003年・TOKIOの松岡昌宏だ。

映像監督の松岡、ステイホーム4コマの中丸

 翌年2004年には嵐の大野智がデザイン。まだ、アーティストとして個展をする前のタイミングだ。その後2005年の香取慎吾を挟んで、2006年にはKAT-TUNの中丸雄一が原案を担当。ノート1冊分の原案を書いた上で、スタジオジブリとコラボレーションした。

 そして2012年、2013年は2年連続で嵐がメインパーソナリティーを担当したため、12年は大野智と奈良美智の、13年は大野智と草間彌生のコラボレーションとなっている。そして、昨年2019年は、15年ぶりに大野が単独でデザインを担当した。

 この“24時間テレビのTシャツデザイン”という仕事を経たジャニーズタレントは、その後も、クリエイティブな才能を発揮している。

 まず、TOKIOの松岡昌宏。松岡は、TOKIOの楽曲のMVの監督を多く手掛けている。「宙船」「明日を目指して!」といった有名楽曲のMVも彼の手によるもの。MVだけではなく2010年には自身も出演していた「怪物くん」のスペシャルドラマの一遍も監督していて、実は立派な映像監督なのだ。

 中丸雄一は今年、そのイラストの才能が花開いた。緊急事態宣言下の4月15日から、毎日Twitterに“ステイホーム4コマ”を投稿。ジャニーズ事務所の社会貢献活動「Smile Up! Project」公式SNSで、約1ヶ月半のあいだ毎日投稿され、イラストのみならず、日常へのあたたかな視点も支持を得た。4コマは、スポーツ報知紙面でも連日掲載されるなど、一気に“新聞連載を持つ漫画家”に。

 そもそも24時間テレビのTシャツ原案を描くことになったきっかけも、ジャニー喜多川にイラストを褒められたからだといい(スポーツ報知2020年5月20日)、才能を見つけて伸ばすジャニー喜多川の慧眼が、歌やダンスだけでなく、アート方面にまで及んでいたことも驚きである。

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