ジャニーズと24時間テレビ…チャリティーTシャツをデザインした男たち

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奈良美智と草間彌生激賞の大野、映画監督挑戦の滝沢

 そして、クリエイティビティを発揮するジャニーズの代表格と言っていいのが、大野智である。もともとの夢はイラストレーターで、ジャニーズJr.時代からプライベートで創作活動を続けていた大野。約10年、描きためた絵やフィギュアを展示する個展『FREESTYLE』を2008年に初めて開催。その後上海での展示と第2弾を2015年に開催、この9月からは六本木ヒルズ展望台・東京シティビューで第3弾が開催される。

 Tシャツでコラボをした奈良美智は、この企画の前から大野智の芸術的才能を認めているうちのひとり。草間彌生は24時間テレビの企画で出会った際に、大野の才能を褒め称えているなど、評価も高い。

 展示の作品集も25万部を越える大ヒット。だが、驚くべきは、こうしたアーティスト活動をしながら、ずっと大野智は芸能活動をしてきたということ。ファンに伝えたいこととして「嵐でいろいろやりながら、でも好きだったら、時間とかなくてもこれだけ出来るよ?っていう。そういう……なんか刺激になってくれたらいい」とコメントしている(『Freestyle』M.Co.)。

 つまり大野は、タレントとしての才能を伸ばしながら、アーティストとしての才能の芽にも、自ら水をやり続けていたのである。

 本稿では24時間テレビのTシャツデザインをきっかけに、クリエイティビティ溢れるジャニーズタレントの活躍に注目したが、もちろん、このメンバーだけではない。元・男闘呼組の岡本健一は16歳から趣味だった写真撮影を仕事に。嵐の密着写真集やアイドル誌『MYOJO』で後輩タレントを撮影するコーナーも担当し、才能を発揮している。

 ジャニーズJr.時代から自身のドラマ撮影現場でカメラを持って動画を撮っていた滝沢秀明は、座長を務めてきた舞台の映画化「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」で映画監督に挑戦する。また、先日、来春での退所を発表したTOKIOの長瀬智也は、今後は裏方にまわりクリエイティビティを発揮する、といったことを匂わせている。

高橋海人のTシャツデザインは“当確”

 余談だが、King & Princeの高橋海人は、昨年・少女漫画家デビューを果たしたので、この3年以内に“King & Princeがメインパーソナリティーを担当し、高橋海人がTシャツデザインをする”年がやってくるのではないかとふんでいる。

 ……と、アイドルという言葉から想起されるものとは離れた才能をもつジャニーズタレントについて触れてきた。

 だが、基本的には、ジャニーズ事務所が作り出しているのは、表舞台に立つアイドルのはずである。

 ジャニーズ事務所が、ジャニーズJr.に課しているレッスンはダンスのみ。演技指導や歌唱指導もなければ、もちろんイラストのようなクリエイティブな分野の特別指導をしているわけではない。それでも、このような才能が勝手に“育っていく”のはなぜか。それは、ジャニー喜多川のタレントの捉え方にあるだろう。

 ジャニー喜多川は生前、こう語っている。

「僕はタレントをアーティスト、芸術家として捉えていますよ」(週刊SPA!1990年7月4日号)

 タレントをタレントとして従来の活躍の枠に限定しない。アーティスト、芸術家と捉えて育てる姿勢が、アイドル以外の才能までをも花開かせる。

 こうして、アイドルというひとつのタレント(才能)以外も、どんどんと才能を花開かせていったジャニーズタレントたちは、才能を塗り重ねることで、単なるアイドルではなく“芸術家”になっていく。

 アイドルは若さが大事かもしれないが、芸術家に年齢は関係ない。

 現在のジャニーズ事務所には40代・50代のタレントも多い。いわゆるアイドルとしての“若い”年齢が過ぎ去ったあとも、ジャニーズタレントが魅力的であり続けるのは、ジャニー喜多川が彼らを“芸術家”として育ててきたからなのである。

霜田明寛(しもだ・あきひろ)
1985年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。9歳でSMAPに憧れ、18歳でジャニーズJr.オーディションを受けた「元祖ジャニヲタ男子」。就活・キャリア関連の著書を執筆後、4作目の著書となった『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は3刷を突破。 また『永遠のオトナ童貞のための文化系WEBマガジン・チェリー』の編集長として、映画監督・俳優などにインタビューを行い、エンターテインメントを紹介。SBSラジオ『IPPO』凖レギュラー。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月21日掲載

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