韓国に登場したオリジナルコーラ「独立815」、国威発揚・愛国マーケティングの興亡

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懲りずに2回も復活するも……

「815コーラ」販売不振などにより、ボムヤン食品は2003年12月に不渡りを出し、2004年に「815コーラ」は生産中止となった。これにより「815コーラ」は一旦、歴史の中に消えたのだ。また、その後ボムヤン食品は2007年に破産している。

「815コーラ」の商標は、ボムヤン食品の破産後もその系列会社が維持していた。それに目をつけたコンビニ向け清涼飲料水メーカーである(株)プロエムホールディングス(PRO-M)が2014年6月26日、約10年ぶりに「815コーラ」を復活させたが、大した成果を残せずに市場から姿を消している。

 さらに2016年8月、今度は熊津(ウンジン)食品が味やコンセプトを変えた「815コーラ」を再度、発売した。ウンジン食品側の説明によると、新しい815ブランドは既存の「コーラ独立」というスローガンから離れ、「815と共に若者たちだけの自由を感じよう!(Feel the Freedom)」というコンセプトを掲げたという。しかしそれならなぜ、「815」の名前を引き続き使うのかについては言及しなかった。ウンジン食品の「815コーラ」についても現在、コンビニやいわゆるマートにおいて、探さないと手に入らない程度に見かけない状況である。

 現在、3~40代の韓国人にとって「コーラ独立815」はまさに思い出の1ページである。通貨危機当時の1998年頃、この清涼飲料水の登場はそれほどまでにセンセーショナルだったのだ。しかし、当時を知らない若者にもはやこの商品名は響かないものかもしれない。

 ここはぜひ、815の名前に頼らない新しい清涼飲料水の開発を期待したいものである。

おさぴょん
会社員として働く傍ら、2002年より韓国の雑誌でライターとして活動中。主に韓国、台湾、タイなどの自動車産業やエンタメについての記事を配信している。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月18日掲載

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