TWICEは3億円、BTSは20億円超、オンラインライブ売上の新世界

エンタメ 芸能 2020年8月12日掲載

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TWICEのグッズ売上はチケット対比130%水準

 ガールズグループTWICEが8月9日、日本をはじめ126カ国のファン8万人余りに向けて、オンラインライブを行った。コロナ禍で、通常の形のライブが軒並み中止となる中、BTSは6月にオンラインライブを敢行。75万人という異常な数の観客を動員して耳目を集めた。TWICEもその成功にならった格好で、世界のスターは新しい形の収益創出に乗り出している。

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 9日午後3時、TWICEはNAVERブイライブを通じてオンラインコンサート「Beyond LIVE -TWICE:World in A Day」を開催。これは今年3月、新型コロナの影響で、TWICEワールドツアー2019「TWICELIGHTS’」フィナーレ公演が中止になって以来のイベントとなった。

 所属事務所のJYPエンターテインメントは有料アクセス数を公開していないが、有料アカウントのみ参加できるチャットに約8万人のファンがアクセスしていることから、チケット購入者もほぼ同数と見られる。チケット1枚当たりの価格は3680円だから、これだけで2億9440万円を稼いだことになる。

 オフライン(つまり通常のライブ)のチケット価格は1万円ぐらいだが、観客が1コンサート当たり2万人ぐらいに留まることを勘案すると、オンラインの売り上げはこれを凌いでいる。もちろんここではグッズの売り上げを勘案していないので一概にいうことはできないが……。

 確かなのはオンラインの場合、多くのスタッフや大量の機材の移動コストに加え、天候や暴動など様々なリスクからは解放される(コロナが最大のリスクであることは間違いないとはいうものの)。ちなみに、TWICEがオフラインでライブをやった際のグッズ売上はチケット比130%水準だという。

 今回は、キャンセルとなったライブのもともとの開催地だった日本の7都市をはじめ、ソウル、米LA、ニューヨークなど16地域のランドマークをアートワークで視覚化。華麗なCGで表現されたスタジオで行われた。

「一日のうちに回るワールドツアー」というコンセプトで企画されただけに、9人のTWICEメンバーが全世界を回るパイロットに変身。15曲を歌った。オンラインだからこその趣向もあり、世界各地の約200人のファンがTWICEとビデオチャットでコミュニケーションを図る場面もあったという。TWICEメンバーも満足だったのだろう、ライブ後に、ONCE(TWICEのファンクラブ名)に向けてホットなメッセージを伝えることも忘れなかった。

 オンラインライブの嚆矢となったのは、BTSだった。去る6月14日に開いた「BANG BANG CON The Live」では、100分間で12曲のヒット曲を熱唱。同日集まった観客は75万人だった。

 チケット価格は有料ファンクラブ加入者は約3000円(未加入者約4000円)だから、チケット売上だけで21億円ほどの収益を上げたことになる。BTSはコロナ禍前までに、「LOVE YOURSELF」、「LOVE YOURSELF:SPEAK YOURSELF」というワールドツアーを通じ、世界23都市で計62回公演を行い206万人の観客を動員。チケット売り上げは約150億円を記録した。

 ここでもグッズの売り上げは除外するが、チケットだけで1回当たり2億5000万円の収益を上げたことになる。一方で、今回のオンラインライブの場合、1回の売上で21億円を上げており、オフラインの8倍以上の収益率となった。

 当時、リーダーRMは無観衆ライブ公演の感想について、「これが公演の未来なのか。 恐ろしくもある。それでも、世界のあちこちで見てくださる皆さんのおかげで、どんな状況でもやり遂げられました。いつ対面できるか分からないが、『BANG BANG CON』を皮切りに、私たちにできることをすべてやってみようと思う」と感想を述べている。

通常の大規模イベントを開催できない中にあっては希望の光

 韓国の大手芸能会社であるJYPとSMエンターテインメントは、韓国最大のポータルサイト、ネイバー(NAVER)と提携し、世界で初めてオンライン専用コンサート「ビヨンドライブ(BeyondLive)」の開催を発表した。

 SMエンターは6月から東方神起やスーパージュニアなど所属アイドルが登場するライブシリーズを計6回にわたって敢行。このうち、スーパージュニアは12万人のファンを動員している。進化したAR技術を存分に活用し、多重画像連結システムを通じて臨場感も補完された。これらのライブについてSMエンターは1回3300円でチケットを販売、10万人の動員で約3億3000万円の収益となるわけだ。

 芸能関係者は、「オンライン公演がオフライン公演に完璧に取って代わることはできないが、そもそも通常の大規模イベントを開催できない中にあっては希望の光」とし、「その場にいて体感する空気をどれだけ共感できるか、その技術力や演出がカギ」と評している。

張惠媛(チャン・ヒェウォン)
建国大学広報大学院でジャーナリズムの修士号を取得、漢陽大学政治外交学科大学院で国際政治を専攻。 現在フリー記者として活動中。

週刊新潮WEB取材班編集