吉村知事、“うがい薬でコロナ退治”の波紋 一番ひっかかる「疑似陰性問題」

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朝日新聞が応援コラム

 記者会見では全国紙の記者に「科学的にまだ明確でないことを政治家が広めるのはおかしいのでは」などと指摘された吉村知事は「それでは僕は何も言えなくなる。皆さんには編集権があり報道されるのですから。僕は『ここを報道してください』なんて言わないですよ」「僕は書かれたものを読んで記者会見をする意味もないと思っているので、自分の考えを話しているんです」などと、珍しく不快感を表した。吉村知事は2時間近い会見でもほとんど用意されたものを読むことはなく自分の言葉で話す。官僚文書棒読みしかできない安倍晋三総理とは対極にある。

 今回「吉村知事の勇み足」と批判もされているが、吉村洋文知事がコロナウイルス問題に真摯に取り組み積極的に発信していることは、たびたび会見に出席していてよく伝わる。新型コロナ対策では注目されてきたが決して目立とうと突飛な会見を企てているわけではない。吉村氏が属する「維新の会」の橋下徹氏とはことごとく衝突してきたはずの朝日新聞が8月6日付け夕刊一面の「素粒子」にこんな応援メッセージを掲載していた。

「勇み足は猛省を。けれど会見を逃げ回るよりエエ。あんじょう気張りや、吉村知事」。

粟野仁雄(あわの・まさお)
ジャーナリスト。1956年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部を卒業。2001年まで共同通信記者。著書に「サハリンに残されて」「警察の犯罪」「検察に、殺される」「ルポ 原発難民」など。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月12日掲載

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