韓国、最愛のドイツが“G7参加”に反対…こだわる文在寅への冷めた視線

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ドイツに見習うなら条約白紙、金銭は利子をつけて返却がスジ

 日本は1965年の日韓基本条約、1972年の日中共同宣言に続く日中平和友好条約をはじめ、ロシア(旧ソ連)を除く第2次世界大戦の関係国と講和条約を締結している。一方、ドイツは1990年の東西ドイツ統一の際に米英仏ソとドイツ最終規定条約を締結したが、他の国々とは第2次大戦後の講和条約を締結していない。

 韓国の主張通り、ドイツに見習うなら、日韓基本条約を白紙に戻して日本が支払った金銭は利子をつけて返してもらわなければならないことになる。物価上昇は当然加味しなければならない。

 米トランプ大統領が、G7に韓国を含む4か国の招聘とG7の拡大を提案し、日本が真っ先に反対を表明したとき、韓国はたとえ日本が反対しても他の国がトランプ大統領の意見を受け入れるはずだとして、G7に出席する準備を進めた。

 G7のゲスト招聘は議長国の権限で、日本とドイツが反対しても、トランプ大統領が招きたいといえば、4か国は正式なメンバーではなく、ゲストとしてなら参加できる。しかし、G7の拡大となると全加盟国の同意が必要なため、韓国がメンバーに加わることはない。

 ドイツ、英国、フランスはロシアの参加に難色を示す一方、韓国には言及しないが、韓国を認めているのではなく、関心がないだけだ。

 ドイツでは現在ベルリン王宮の復元が進められている。18世紀に建造され、第二次世界大戦で被弾した後、旧東ドイツ政府が取り壊した建物で、民族学博物館やアジア美術館、ベルリン市博物館などが入り、今年中の開館を予定している。

 日本、中国、韓国の遺物を展示するスペースも設けられるが、韓国館は日本館や中国館の10分の1の面積に過ぎない。日本と中国の展示品は数千点集めたが、韓国の遺物は160点余りしかないという。

韓国語で「文在寅」「問題人」の発音はどちらもムン・ジェイン

 韓国に対する認識は、朝鮮は19世紀まで中国の属国で、1910年から45年まで日本の統治下だったため古代文化は不十分というものだ。韓国館の担当は、韓国の古代遺物は、中国、日本と違ってお粗末で展示する価値がないと判断した。

 韓国は、「日本は日韓関係に起因して韓国のG7参加に反対し、ドイツや英国はロシアの参加に難色を示すが韓国の参加には反対していない」と勘違いしている。

 しかし、米トランプ大統領は中国を取り囲む国の招聘を目論んでいる。G7メンバーは4か国の招待が中国を刺激することを懸念し、また中国にゴマを擦り続ける韓国がG7と一枚岩になりえないだろうことも懸念する。

 いま文在寅政権の経済政策や外交政策が稚拙だと認識しているのは、日本、中国、米国くらいだろう。しかし、G7拡大案はメンバー各国が注目しており、韓国がG7にこだわれば、すべてのメンバーが文在寅政権のレベルを知ることになる。

 そのことに気づかないのが文在寅の「問題人」たる由縁である。韓国語で「文在寅」と「問題人」は、スペルは多少異なるが、発音はどちらもムン・ジェインである。

佐々木和義
広告プランナー兼ライター。商業写真・映像制作会社を経て広告会社に転職し、プランナー兼コピーライターとなる。韓国に進出する食品会社の立上げを請け負い、2009年に渡韓。日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える必要性を感じ、2012年、日系専門広告制作会社を設立、現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月4日掲載

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