日本人の「月面着陸」実現なるか NASA計画へ署名

国内 社会 週刊新潮 2020年7月30日号掲載

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 アームストロング宇宙飛行士が月面に降り立った年に生まれた子は、もう51歳。以来、人類は6回の有人月面着陸に成功したが、はて、何が得られたのだろうか。

 萩生田文科相が米NASAの「アルテミス計画」に関する共同宣言に署名したのは今月10日のこと。そこには、アメリカが予定している有人月面探査に日本も協力し、日本人宇宙飛行士を送り込むことが盛り込まれているという。アポロ計画と違うのは、月の軌道に宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建設し、そこから宇宙飛行士を下ろすという点。文科省宇宙利用推進室の担当者によると、

「仕組みとしてはISS(国際宇宙ステーション)に似ていて、まず日本は物資運搬などを担うことになると思います」

 もっとも、共同宣言には、日本人の月面着陸が約束されているわけではない。「仔細を明確にする」とあるだけ。ゲートウェイの建設費用は2兆~3兆円という試算もあるが、大枚はたいて、「宇宙版宅配便」で終わることにはならないのか。

「もちろん、日本人の月面着陸を前提として話し合いを進めることになります。予算についても、これから財務省に概算要求を出しますが、いくらということはまだ言えません」(同)

 評論家の唐沢俊一氏が言うのだ。

「かつての月探査は米ソの競争の結果であって、資源発見などの大きな成果があったわけではありません。オリンピックや万博がそうなったように月探査も、かつてほどの盛り上がりは期待できないのではないでしょうか」

 かの山本夏彦翁も言っているではないか。

「何用あって月世界へ? 月は眺めるものである」