30歳、人気絶頂「三浦春馬さん」がなぜ? 警察庁「自殺者データ」で読み解く世間の反応

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自殺と無縁の世代

 厳しいデフレ経済に日本人が苦しんだ姿が浮き彫りになった。こうした不景気が自殺者を増加させた可能性があるだろう。

 小泉純一郎氏(78)が首相だった2003年に自殺者は3万4427人に達するが、この後、徐々にではあるが減少傾向を示していく。

 特に2012年12月に安倍晋三首相(65)による第2次安倍内閣が発足すると、自殺者は2万人台に減少。19年は2万169人となった。自殺問題について詳しい編集者が解説する。

「警察庁の統計で明らかになっていますが、自殺の動機1位は『健康問題』で、その主な病気は鬱病です。統計からは、60代以上の方々が病苦を理由に命を絶っているケースが多いことが分かります。ただし、自殺の動機は1つだけではなく、様々な要因がからみあい連鎖し合っていて、最終的には鬱病が引き金となって自殺に至るケースが多いことも判明しています。12年以降、自殺者が減少した理由としては、人口比率で最も多い団塊の世代が65歳以上となり仕事を辞めたために、仕事や職場での精神的ストレスが軽減したことを理由に挙げる分析もあります」

 いずれにしても、自殺者はもっぱら60代以上であることは間違いない。社会全体でも自殺者は減少している。

 そんな中、突然に絶大な人気を誇る三浦春馬さんが自殺した。特に60代以下の世代で、家族や知人が自殺したという経験を持つ人は少数派だ。強いショックを受けて当然だろう。

芸能界はストレス蔓延!?

 特にファンともなれば、気持ちの整理がつかず、「CIA殺害説」が流布するのも仕方ないのかもしれない。

 それにしても、警察庁の統計では12%台と決して高くない30代の自殺者割合が、芸能人の場合は28・6%でトップだ。

 更に、本来であれば10%前後のはずの20代でも、芸能界では14・3%に達する。一般的にはワースト1位である60歳以上と肩を並べるほどの高率という事態は、やはり興味深い。

 芸能界は20代や30代にとって、強いストレスを与える特殊な世界なのだろうか。今後、芸能人からどのような声が出てくるのか、やはり注目すべきだろう。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月31日掲載

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