コロナ感染報道のカゲで…金与正、女帝へのカウントダウン、建国以来の人事敢行

国際 韓国・北朝鮮

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 金正恩は7月25日、労働党中央委員会政治局非常拡大会議を緊急招集。新型コロナウイルス感染症と疑われる脱北者が、開城(ケソン)を通じて軍事境界線を越えて北へ入ったことに関し、国家非常防疫体系を「最大非常体制」に転換することにしたという。もっとも、これを真に受けるわけにはいかない。金正恩が北の玉座から消えて100日が経ち、時折報じられるニュースにも画像の加工などが施されていることが分析の結果、明らかとなっている。加えてこの間、北では建国以来最大となる大規模人事が敢行されていた。北で博士号を取得した、北ウォッチャーの第一人者によるコンフィデンシャル解説。

 北ではこれまで「コロナ感染はゼロ」と対外的に表明してきました。それが急転直下、感染疑いの脱北者が見つかり、最大規模の隔離を行っていると言います。そういった“変節”と金正恩の“不在”とは無縁ではありません。

 金正恩の動静を伝える公開情報に奇妙なパターンが現れ始めてから、すでに100日が経過しました。

 この3カ月を超える雲隠れの間に、ピョンヤンで非常に不可思議な出来事が起こっています。

 具体的には、大々的な側近の入れ替え人事が行われたこと。対象となった高位級幹部の数は、なんと125人に及びます。これほどの大規模な人事は北朝鮮建国以来、前代未聞のことです。

 金正恩の対外活動はほとんどないに等しいレベルにまで減少し、北朝鮮自体、諸外国との対話を一切拒否しています。そんな状況で人事異動がなぜ必要なのでしょうか。

 新たに入れ替えられたのは党政治局委員、候補委員、検事委員会委員、党中央委員会副委員長、委員、そして軍将官にまで及びます。

次ページ:米国と対決のため全面的に人事を行った直後に…

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