「愛の不時着」主演級4人のギャラはいくらか?

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韓国芸能界に横たわる「上位1%と下位99%」の階級社会

 韓国ではロマンチックコメディのジャンルに属する「愛の不時着」。“もう観た?”は当たり前で、“何回観た?”というやり取りをした方も少なくないだろう。新・韓流スターに浮上した、このドラマ主演級4人の出演料はいくらだろうか。

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 過去の韓流ブームに乗り、ドラマなどエンタメ・コンテンツが海外に輸出されて莫大な収益事業になり、スターは天文学的な出演料を手にしてきた。

 俳優はドラマが成功すれば、広告撮影やその他の仕事が舞い込んで収入が膨らむが、トップスター入りできない場合、年平均1000万ウォンの収益を得ることも難しくなる。ドラマ1回じゃなくて「年」である。「上位1%と下位99%」の階級社会が、韓国芸能界の実情だ。これについては後述する。

 ともあれ、取材を総合すると、「愛の不時着」の主人公ヒョンビンとソン·イェジンの1回当たりの出演料は1億ウォン(1000万円)を上回る。ソ·ジヘとキム・ジョンヒョンの場合、1回当たり数千万ウォンの出演料をもらったというのが、芸能関係者の一致する見方だ。シリーズは全16話だから、かけ算をすれば彼らが得た金額がわかる。

 ドラマは、「世界で最もミステリアスな国家」である北朝鮮の実生活を生々しく描いている。北朝鮮の生活を自ら経験した脱北者で補助作家を務めたクァク·ムンワン氏のおかげだ。実際、市場で韓国の商品が密かに売買され、北朝鮮軍人が私邸で韓国の炊飯器や大型壁掛けテレビを使う場面がある。韓国ドラマを密かに視聴し、Kポップを楽しむ若者の姿も登場する。

 北朝鮮そのものを見ることができる興味深さとともに、韓国、スイスという広範囲なロケーション撮影、出演陣の優れた演技力にはまった人は少なくないだろう。

元々、富裕層出身の主演2人

 韓国に限らないだろうが、ドラマの制作では、あらかじめ1回あたりの出演料を決めてから撮影が始められる。主演俳優らは億ウォン台に上る出演料のほか、韓流ブームや「愛の不時着」の人気を受け、「スターマーケティング」の一環として、広告や芸能番組などに出演し、付加収益を上げることは間違いない。

 広告業界によると、韓流トップスターの広告料は約「10億ウォン・プラスアルファ」水準だと言う。 全盛期のスターなら、1本当たり年間10億ウォン〜14億ウォン程度の広告料を受け取る。高倉健は常に1本1億円と決まっていたと言うから、それに比肩する額だ。

 主演男優のヒョンビンの場合、公開された財産だけでも最低100億ウォンを超えている。事情を知る芸能関係者は、「2013年にヒョンビンが清潭洞にあるヴィラを48億ウォンで購入したが、いま再売却すると100億ウォンになる」とし、「それに加えて貯蓄額は35億ウォンだ」と明かす。

 一方、ヒロインのソン·イェジンの財力もなかなか。三成洞に30億ウォンほどの高級ヴィラを持つほか、ソウルに100億ウォン台の建物を所有。一部では財テクの女神として知られている。「ヒョンビンとソン·イェジンの場合、映画やドラマ、CM撮影などを通じて年間100億ウォン台の収入を稼ぐ」(同)というのがもっぱらの話だ。

 その一方で、売れっ子芸能人のギャラ高騰と売れない人たちとの両極化が憂慮されてきた。17年、韓国国税庁が公開した資料に、それは如実に表れている。

 上位1%が芸能人全体の収入の半分近くを稼ぎながら、10人中9人程度は年間収入が1000万ウォンにも満たない。実際、俳優・タレントとして課税収入を届け出た人員は計1万5423人で、その平均額は4300万ウォンだったが、収入上位1%の154人は平均19億5500万ウォンを稼いでいる。

 つまり、俳優·タレントの上位1%が全体収入の45.7%を占めたわけだ。上位10%(1542人)に範囲を拡大すれば平均収入は3億6700万ウォンで、彼らの収入は全体収入の86%に達した。一方、下位90%の1万3881人の年平均収入は700万ウォンで、1ヵ月にわずか58万ウォンしか稼げていない。上位1%の年平均収入が下位90%のそれの何と280倍に達するわけだ。

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