「長瀬智也」退所、29年のジャニーズ歴で振り返る「音楽への愛」

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「TOKIOのことをどう思うか?」と大先輩・薬丸裕英に聞く場面

 とはいえ、TOKIOというグループへの愛情と誇りはあったはずだ。
 結成10周年を経たタイミングで「いろんな分野で世界中探してみてもここまでやるバンドって他にない」と誇りをのぞかせ「(5人で一生続けていくことが)一番の理想だし、みんなが一番望んでいること」(※5 SWITCH 2006年2月号)と、その先の5人での未来を信じていた。

 もちろん、時を重ねていく上で違う道への希望が生まれたのかもしれない。だが、少なくとも一昨年までは“TOKIOの音楽プロデューサー”といってもいい働きをしていたことを思うと、どこかに「山口のあの事件がなければ……」という、今でも幸せに5人が音楽を続けていたかもしれない道の想像もよぎってしまう。

 7月8日に放送された『TOKIOカケル』(フジテレビ)では、国分太一が「TOKIOのことをどう思うか?」と大先輩・薬丸裕英に聞く場面があった。

 それに対して「最終的にジャニーズ事務所を引っ張っていくのって俺はTOKIOだと思う」「いろんな形で、TOKIOが変わるかもしれない。変わっても少年隊みたく『TOKIO』っていうグループは残して」という薬丸の発言を聞く長瀬の顔が印象的だった。

 こうなることを知った上での薬丸の発言だったのかもしれないが、「TOKIOというグループを残す決断を彼らはした」ということである。

 薬丸の例はもちろん、近年は退所後の中居正広が、変わらずジャニーズタレントとの共演を続けるなど、“プリズン”の縛りは緩くなってきている。
 残るTOKIOの3人も、ジャニーズ事務所内に株式会社TOKIOを作るといい、近年のメンバー脱退後のグループとはまた違う展開になりそうだ。

 これはもしかしたら4人なりの、“優しいプリズンの壊し方”なのかもしれない。

霜田明寛(しもだ・あきひろ)
1985年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。9歳でSMAPに憧れ、18歳でジャニーズJr.オーディションを受けた「元祖ジャニヲタ男子」。就活・キャリア関連の著書を執筆後、4作目の著書となった『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は3刷を突破。 また『永遠のオトナ童貞のための文化系WEBマガジン・チェリー』の編集長として、映画監督・俳優などにインタビューを行い、エンターテインメントを紹介。SBSラジオ『IPPO』凖レギュラー。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月23日掲載

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