巨人「戸郷翔征」と「桑田真澄」の入団2年目を比較 元コーチが語る“桑田の思い出”

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 プロ2年目の巨人、戸郷翔征投手(20)が開幕から3連勝を果たした。高卒2年目で開幕3連勝は1987年の桑田真澄以来で、3戦3連勝は球団史上初の快挙だという。ならば、桑田の2年目の成績を超えることはできるか。

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 桑田といえば、夏の甲子園で清原和博と共にPL学園を2度優勝に導いた名投手だ。1985年のプロ野球ドラフト会議で、巨人から1位指名され入団。プロ1年目は、15試合に登板、2勝1敗で防御率は5・14だった。

 2年目は、28試合に登板して、15勝6敗。防御率は1位の2・17をマークした。沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、最優秀投手、月刊MVP(7月)とタイトルを総なめにした。3年目には、球団史上最年少の20歳で開幕投手も務めた。

「桑田が入団した時、私はたまたま巨人2軍のピッチングコーチに就任しました。彼は、コーチなんかいらないくらい、練習は細かく自分で計画を立てていました」

 と語るのは、元巨人の投手で野球解説者の関本四十四氏である。

「2軍での宮崎キャンプの初日、練習が終わると桑田が私のところにやってきて、『トラックで走っていいですか』と言うのです。キャンプ地には、ピッチャーが走り込みをする300メートルのトラックがありましたからね。彼の申し出を須藤豊2軍監督に伝えると、監督は『一緒に見に行こう』と。桑田はトラック1周を50数秒で駆け抜けていました」

 もっとも桑田は、下半身は鍛えても、上半身の筋トレはあまりやっていなかったという。

「『ピッチャーもダンベル持っていいんですか?』と質問されました。ピッチャーにも、軽いベンチプレスをさせていましたから、彼にも勧めました。その後、1軍に上がると、都内で2カ所のスポーツジムと契約して、ウエイトトレーニングをしていました。なぜ2カ所なんだと聞くと、1カ所では飽きてしまうというのです。そうやって23歳頃までに、基礎的な体力をつくりあげていましたね」(同)

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